「大リーガー・大谷」の誕生だ。ポスティングシステムを利用してロサンゼルス・エンゼルスへの移籍が決まった大谷翔平選手(23)が日本時間2017年12月10日朝、本拠地となる米カリフォルニア州アナハイムのエンゼル・スタジアムで入団会見を開いた。
待ちかねたファン約1000人の前で「ハイ、マイネームイズショウヘイ・オオタニ」と英語で自己紹介。大リーグでも投手と野手の「二刀流」での成功を目指す。この会見を見た「3000本安打」の張本勲さん(77)。大谷選手の打撃面には超辛口のエールを送った。
早くもチーム主砲を「イジる」大物ぶり
背番号17の真っ赤なユニホームに袖を通した大谷選手。会見では最初に家族や、5年間一緒にプレーしてきた北海道日本ハムファイターズのチームメート、指導者、日本のファンに感謝した。そのうえで、
「エンゼルスの一員として、ファンの皆さんとともに優勝を目指して頑張っていきたい」
と抱負を述べると、会場に詰め掛けたファンから大きな歓声が上がった。
メディアとの質疑応答では、「エンゼルスを選んだ理由」について何度か問われた。大谷選手は、サンディエゴ・パドレスやシアトル・マリナーズなど複数の球団と入団交渉を行ってきたからだ。それを踏まえて、「本当にたくさんの球団と話す機会があった、素晴らしい話が聞けた」と感謝を伝えつつ、エンゼルスには「縁を感じた」という。自分の気持ちの中で「ここでプレーしたい」という気持ちが出てきて、決断したと話した。
エンゼルスの「顔」は、主砲のマイク・トラウト選手(26)だ。大谷選手はわざわざその名を挙げ、「トラウト選手はきょう、結婚式だと聞きました。おめでとうございます」と祝福した。事前にトラウト選手からは「(エンゼルスは)いいチームだ、一緒にプレーしたい」と言われて「うれしかった」と明かした。
背番号17を選んだ理由を問われると、「本当は27番にしたいなという気持ちがあったんですけど、埋まっていたので17番にしました」といたずらっぽく笑った。実は27番は、そのトラウト選手が着けている。通訳が英訳すると、ファンからはドッと笑いが起きた。入団会見で主砲をイジる大物ぶり。ファンの心をわしづかみだ。
「お世辞を言ってるんですよ」
大谷選手は、エンゼルスでも二刀流に挑戦する意気込みだ。最初の試合は投手か野手のどちらで活躍したいかと問われ、「どちらも楽しみにしているし、最高なのはどちらも同じ試合でできること」と語った。
エンゼルスのマイク・ソーシア監督は記者の質問に、「もちろん投手と野手の『ツーウェイ』で考えている」と答えた。その一方で、具体的な起用法については、今後大谷選手の情報をさらに詳しく分析し、来春のスプリングトレーニングでの様子を見ながら決めていく方針を示した。
この日放送の「サンデーモーニング」(TBS系)で、「ご意見番」の張本さんがさっそく大谷会見に触れた。エンゼルス入団については「いいところに入ったんじゃないですかね」とまずは評価。二刀流で成功するかどうかを聞かれると、一緒に出演した福岡ソフトバンクホークスの松田宣浩選手(34)に、「球は速いか?伸びはどうだ?」と矢継ぎ早に質問。対戦経験のある松田選手に意見を求めた。一方、打撃について松田選手が「本物です」と高い評価を口にすると、張本さんは笑いながら、
「お世辞を言ってるんですよ」
とひとこと。さらに「バッティングは、私は専門家だからね あのぐらいのバッティングは、アメリカにははいて捨てるほどおるよ」と、激辛コメントでスタジオをわかせていた。