JR東日本は、2017年12月5日、事前の予約などなしにSuicaをはじめとするICカードだけで新幹線に乗ることが出来るサービスを、18年4月から開始することを発表した。
ネットでは好意的な声もありながら、対象範囲がJR東日本の管轄する地域の一部ということもあって、「東海道新幹線は使えないのね」などといった声も上がっている。
「むしろなんで今まで出来なかったのか」
JR東日本の発表によると、サービスの対象となるのは新幹線の自由席で、東北新幹線の「東京~那須塩原間」、上越新幹線の「東京~上毛高原間」、北陸新幹線の「東京~安中榛名間」。ただし、大宮駅で東北新幹線と上越新幹線を乗り継ぐ場合や、高崎駅で上越新幹線と北陸新幹線とを乗り継ぐ場合は対象外となる。指定席についても、19年度末を目途にICカードで利用できるサービスの導入を検討しているという。
実現すれば、新幹線と在来線とを乗り換える際などにICカード1枚で改札を通ることが出来るようになる。利用可能なICカードは、Suicaのほか、PASMO、Kitaca、TOICA、manaca、ICOCA、PiTaPa、SUGOCA、nimoca、はやかけんの10種類。
ネット上では、「インフラ系のストレスがなくなるのはいいこと」と好意的に見る声や、
「ついにSuicaだけで新幹線乗れるようになるらしい むしろなんで今まで出来なかったのか」
「そろそろそうしないとな」
と、ようやく実現すると見る声のほか、
「仙台まで乗れねーーーー」
「相変わらず東京から東海道新幹線は使えないのね」
と、対象外の地域があることを残念がる声もあった。
仙台などJR東日本の域内については「今後検討」
導入の経緯などについて、J-CASTニュース編集部は17年12月6日に取材を行った。
JR東日本が答えたところによると、現在でも新幹線の乗車券ならICカードでもできるものの、特急券は別途購入の必要があると述べる。そのうえで、
「たとえば新幹線に乗り換える時に、特急券を通してからICカードをタッチすればよいのですが、ICカードを押してから特急券を通すと、自動改札に止められてしまうのです」
といい、ICカードのみで乗車できるようにすることで、利便性を高めたい狙いだ。
JRグループで、JR東日本以外に同じ取り組みを行うところは「現時点では無いと思います」としたうえで、東京~仙台駅間や東海道新幹線について今後どうなるのかを聞いたところ、
「東海道新幹線についてはJR東海の管轄ですので私たちにはどうにもなりません。ただ、仙台は弊社の管轄なので、ご利用状況などを見ていきながらエリアの拡大も検討していければと思います」
と語った。また、
「現在、SuicaなどのICカードにチャージできる金額の上限が2万円で、それ以上の運賃を徴収する仕組みにはなっていません。仮に新幹線で他のJRが管轄する地域へ向かうにしても、そういったICカードの仕組み・システムの改善を図っていくことも必要になります」
と続けた。