徐々に権限委譲を図る構え
1年前、戴社長は「1部に復帰したら台湾に帰る」と公言していた。この点について、記者会見では「社長を退任したいという気持ちは今も変わっていない」としつつも「中期経営計画の達成は使命。最終年度の19年度まで全力をあげて取り組む覚悟だ」と述べ、当面は社長職を続ける考えを示した。ただ「次期社長育成のための共同CEO(最高経営責任者)を社内外から選ぶ。すぐ検討したい」とも述べ、徐々に権限委譲を図る構えもみせた。
中期経営計画では「人に寄り添うIoT」「8Kエコシステム」をキーワードに、「グローバルでの事業拡大」「ビジネスモデルの変革」「経営基盤の強化」を掲げている。2019年度の数値目標は売上高3.25兆円、営業利益1500億円だ。だが未知の領域が多いだけに、達成できるかは予断を許さない。
記者会見で戴社長は「飛躍的成長を遂げる」と宣言した。「有言実現する」とも強調した。戴社長の手腕が試されるのは、これからなのかもしれない。