コーヒーは骨髄の病気予防にも効果 国立がん研が発表、リスクが53%減

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   動脈硬化の予防など、コーヒーの健康効果は多く知られているが、骨髄の病気の予防にも効果が期待できることが国立がん研究センターの研究で明らかになった。

   研究成果は国際がん研究専門誌「International Journal of Cancer」(電子版)の2017年12月5日号に発表された。

  • コーヒーは骨髄の病気予防にも効果が
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カフェインとポリフェノールの抗酸化作用に効果

   国立がん研究センターの発表資料によると、今回、コーヒーとの関連を調べた病気は、「急性骨髄性白血病」と「骨髄異形性(いけいせい)症候群」の2つだ。急性骨髄性白血病は、骨髄の造血幹細胞ががん化する血液のがんだ。一方、骨髄異形性症候群は、骨髄の造血幹細胞の異常により、正常な血液が作れなくなる病気で、さまざまな病気を引き起こす。また、進行すると急性骨髄性白血病になるケースも多い。

   ともに治療が難しい病気で、食品の中で何をとると予防効果があるか調べることが重要だという。

   研究チームは、岩手県から沖縄県まで全国9か所の保健所に健康データを登録している40~69歳の男女約9万5000人を対象に平均25年間追跡調査した。対象者のコーヒーを飲む量を、(1)ほとんど飲まない(週に1杯未満)、(2)ほどほどに飲む(週に1~4杯)、(3)よく飲む(1日に1杯以上)の3つのグループに分けた。そして、2つの病気の発症リスクを比較した。調査期間中に、急性骨髄性白血病は85人、骨髄異形性症候群は70人が発症した。

   その結果、急性骨髄性白血病はコーヒーを飲む量との関連がみられなかったが、骨髄異形性症候群は、コーヒーを飲む量が多い人ほど発症リスクが低くなった。よく飲む人は、ほとんど飲まない人に比べ、発症リスクが53%も低くなった。

   この理由について研究チームでは、発表資料の中でこう説明している。

「コーヒーには抗酸化作用があるカフェインやポリフェノールが含まれていて、一部のがんについては予防効果が報告されています。そのカフェインやポリフェノールが骨髄異形性症候群の発症リスクを下げたと思われます」

ところで、なぜ急性骨髄性白血病には効果がみられなかったのか。研究チームでは「コーヒーをよく飲む人は、タバコをよく吸う人が多いので、効果が相殺された可能性もある」と推測している。タバコは白血病を引き起こす危険因子の1つだからだ。そこで、タバコを吸わない人に限定して調べ直すと、コーヒーをよく飲む人ほど白血病のリスクが下がる傾向がみられた。ただし、統計的には有意な数字ではなかった。

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