【あさイチ スゴ技Q】(NHK)2017年12月5日放送
ひと手間で食材の栄養アップ!目からウロコの調理法
毎日の食生活で、調理方法をひと手間工夫するだけで、吸収される栄養が3~10倍も多くなるという。
食材の栄養効果を最大限に引き出す野菜の切り方や、女性に不足しがちなカルシウムを増やす調味料の使い方、美肌効果につながる栄養をアップさせるトマトの食べ方など。栄養学と料理の専門家が知らないと損をする秘伝の技を紹介する。
豚肉カレーにはタマネギはみじん切りで
東京・新橋にある東京慈恵会医科大病院では、元気が出て、入院患者に人気ナンバーワンの病院食メニューがある。豚肉とタマネギを混ぜ合わせたカレーだ。これが、最近お疲れの人が疲労回復効果をアップさせるレシピにもなる。同大学病院栄養部で管理栄養士をしている赤石定典さんが調理方法の秘訣を教えてくれた。
赤石さん「まず、食材としては豚肉とタマネギの組み合わせが絶妙です。豚肉には疲労回復効果のあるビタミンB1が豊富ですが、なかなか吸収されにくいのが難点です。これがタマネギに含まれる『アリシン』という成分と合わさると、吸収効果が10倍あがるのです」
その際、タマネギをできる限りみじん切りに細かく切ることがポイント。こうすると、タマネギの細胞壁が壊れ、中からアリシンがたくさん出てくるのだ。そして、みじん切りしたタマネギを10分間ほど放置すると、さらにアリシンがたくさん出てくる。
また、「タマネギ博士」こと北翔大学学長の西村弘行さん(農芸化学)によると、調理する時にもポイントがある。一般にカレーを作る時には、タマネギだけを先に火にかけるが、これは疲労回復効果を狙ううえでは損な作り方。というのは、アリシンは熱に弱いからだ。だから、豚肉と一緒に合わせて中火で炒めるのがコツ。アリシンは、ひとたび豚肉のビタミンB1と結びつくと、今度は熱に強くなるので大丈夫なのだ。疲れた時は、豚肉とたくさん刻んだタマネギを一緒に火にかけるのがオススメだ。