やる気・性欲が急になくなった それ、うつ病じゃなくて「男性更年期」かも

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更年期が疑われたら「泌尿器科」へ

   大学の講師をしている中村誠司さん(52)は、2014年頃から急に仕事に対するやる気を失った。仕事が好きなはずなのになぜだろう、と悶々とする日々が続いた。

   大学では組織マネジメントを教えているが、以前と比べ、パソコンで資料を作るのにかかる時間がひどく長くなった。

   中村さん「指が動かない。思考が止まる感じ。仕事も納期も迫っていてやらなければいけないけど、時間だけが進んでいる」

   性に対する関心も薄れ、イライラして壁を殴り穴を開けてしまったことも。2年前にうつ病を疑い心療内科を受診したが、目に力があり、自分の症状も客観的に説明できているということで、夜眠れて食欲があるならうつ病ではないと言われた。

   しかし不調の原因も、何科を受診したらよいかも教えてもらえず、どうしたらいいか途方に暮れたまま我慢を続けてきた。

   17年10月、ようやくたどり着いたのが「泌尿器科」だった。

   まず「ひどい発汗がある」「よく眠くなる」「イライラする」「朝立ちの回数の減少」など、17項目の設問に回答し、さらに問診で症状を説明する。血液検査で男性ホルモンの濃度を測定すると、治療の基準を下回っていた。中村さんの悩みは男性ホルモンの減少が原因だったのだ。

   男性更年期障害の治療法は、注射での男性ホルモンの補充と漢方薬の服用がある。中村さんは、イライラを取る「柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」という漢方薬と、疲れなどに効くビタミンB1をビタミン剤で摂(と)る方法を選んだ。

 

   さらに適度な運動として1日40分の散歩と、男性ホルモンを増やす「ジオスゲニン」という成分が含まれる「とろろ」を積極的に食べるようにし、治療開始から1週間ほどで徐々に効果を実感し始めた。イライラや焦りが全くなくなり、仕事に対する前向きな気持ちも取り戻したという。

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