【あさイチ スゴ技Q】(NHK)2017年12月5日放送 ひと手間で食材の栄養アップ!目からウロコの保存法
毎日の食生活で、当たり前のようにしている野菜の保存方法が、実は間違っているとしたら? せっかくの食材の栄養を無駄に失わせているとしたら?
たとえば冷蔵庫。野菜を冷蔵庫のどこに保存するかで、ビタミンCがどんどん減ってしまうが、ほとんどの人が間違った場所に入れている。栄養を保つために最も効果的な保存方法を食品栄養学の専門家が紹介する。
ホウレンソウ、小松菜など葉物野菜は「冷蔵室」に
番組では冒頭、東京都渋谷区のNHKスタジオパークを訪れた女性たちに「野菜をふだん冷蔵庫のどこに入れているか?」と聞くと、全員が「野菜室」と答えた。そりゃそうだ、だって「野菜室」だから。だが、これは大きな間違い。日本獣医生命科学大学客員教授(調理科学)で料理研究家の佐藤秀美さんがこう解説する。
佐藤さん「野菜は買ってきたら、まず冷蔵庫のどこに保存するかがポイントです。すぐにしなびてしまう水菜やホウレンソウ、小松菜などの葉物野菜は、『冷蔵室』に入れるのがいちばんいいのです」
理由はこうだ。葉物野菜は温度が高ければ高いほどビタミンCが失われていく。しかし、冷蔵庫の中で温度がいちばん高いのが野菜室。かといって、チルド室や冷凍室では、保存中に凍ったり溶けたりする温度のため、野菜の細胞が壊れ、栄養が流れ出ていってしまう。だから、冷蔵室がいいのだが、冷気がたまって低い温度になる一番下の段に保存するのがオススメだ。
伊ノ原快彦キャスター「今まで間違って入れていました。冷蔵庫の『野菜室』という名前、変えるべきじゃないですか(笑)」
さらに注意点がある。
佐藤さん「野菜は呼吸をすると、どんどん自分の栄養を使ってしまうので、呼吸を抑えるために、ビニール袋などに入れて空気を抜き、テープで封をすることが大事です」
ニンジン、ダイコン、ジャガイモなど根菜類は「野菜室」に
では、野菜はすべて冷蔵室に入れるべきかというと、そうではない。トマトやナス、ニンジン、ダイコン、キュウリ、ジャガイモなどの「実・根」の野菜は、それほど呼吸が激しくないので野菜室に保存してもOKだ。また、花が咲く前のブロッコリーやカリフラワー、モヤシ、カイワレダイコンなどの「芽」の野菜は、呼吸が盛んなので、これも冷蔵室の下の段に保存する。
佐藤さん「ダイコンは葉の部分は呼吸が盛んなので、根元からカットしてダイコン部分をラップで巻き、野菜室で保存すると水分が抜けにくくなります。ダイコンがしなびやすいのは、葉の部分から水分が蒸発するためです。葉の部分を調理に使うには、ビニール袋に入れて冷蔵庫の下の段にしまいましょう」