村中氏は「正しい報道への方向転換のチャンスです」
英メディアは、大衆紙・高級紙問わず、村中氏の受賞を
「いい加減な研究が、ワクチンが脳にダメージを与えたと間違った主張をした」(デイリー・メイル)
「一般的ながん対策のワクチンをめぐる誤情報キャンペーンに立ち向かった日本の医師が、名誉ある賞を受賞した」(ガーディアン)
などと報じた。BBCラジオでは、村中氏にインタビューしようとして、誤ってベトナム人の映画監督を出演させるという「珍事」まで起き、英メディアに大きく報じられた。
一方で、12月6日時点で国内メディアで記事が受賞の記事が確認できるのは、産経新聞、東洋経済オンライン、バズフィード・ジャパン、北海道新聞のみ。道新は村中氏が北海道大医学部卒だという点に着目して報じたとみられ、それ以外のブロック紙や地方紙で受賞の記事を見つけることはできない。村中氏も12月5日に
「日本の新聞でマドックス賞を報じたのは結局、12月2日付けの道新と産経のみ。もう一紙取材を取っていた某紙は記事は書いたのに日馬富士と天皇で没になったそう。取材は今からでも受けます。正しい報道への方向転換のチャンスです。どうか海外の専門家やメディアの評価といっしょに記事にしてください」
とツイートし、主に大手メディアのあり方に問題を感じている様子だ。
HPVワクチンをめぐっては、接種で健康被害を受けたとして、国と製薬会社を相手取って損害賠償を求める訴訟が複数起こされている。一方、WHOは2015年に、痛みを訴えたりする副反応とHPVワクチン接種の因果関係は確認されていないなどとして、日本のみを名指しして接種の推奨中止を「乏しい証拠に基づいた政策決定」と批判する声明を出した。17年7月の声明でも
「広範囲におよぶ安全性を示すデータがあるにもかかわらず、誤った症例報告や立証されていない主張に関心が集まり続けている」
とした。