宗教団体「幸福の科学」の大川隆法総裁(61)が、「アチョー!」「チョオ!」などと叫びながら激しいアクションを披露する――。そんな衝撃的な内容の書籍が、インターネット上で反響を広げている。
書名は「ブルース・リーの霊言 ドラゴンの復活」。これは、1973年に亡くなったブルース・リー(李小龍)氏の「霊」を大川氏の体に降臨させ、その霊へのインタビューを収録したと主張する一冊だ。
「オゥオオオオォォォォ......コッ!」「チョウワァァァ」
「ブルース・リーの霊言」は2017年11月25日、幸福の科学出版から刊行された。著者の名義は大川氏。表紙には、映画「死亡遊戯」でお馴染みの黄色いつなぎを着たリー氏のイラストが大きく描かれている。
この書籍は、8月13日に行われたという「公開霊言」の模様を文書に起こしたもの。幸福の科学の公式サイトなどによれば、公開霊言とは、大川氏が信者らの前で霊を自らの体に降臨させ、出席者のインタビューに「霊」が答えるものだという。
いったい、どんな内容なのだろうか。記者が同書を読んでいく中で、特に目に留まった部分を一部抜粋して紹介する。まず気になったのは、リー氏の霊を降臨させる前の大川氏が、
「最初に謝っておかなければいけませんが、私は現在、アクションが得意ではありませんので、皆さんの前でブルース・リーのアクションをお見せすることはできません。難しくて死んでしまいますので」
と理解を求めていた部分だ。
このようにしっかりと伝えていたにも関わらず、「降霊後」の大川氏は派手なアクションを連発。なにせ、リー氏の霊を降ろした後の一文目が、
「(突然、截拳道の構えのように右手を前に突き出して半身になり、人差し指を上げて左手を顔の横に引き付けて)トウーー!!」
なのだ。
その後も、「アチョー!」「オゥオオオオォォォォ......コッ!」「チョウワァァァ」(いずれも原文ママ)などと叫びながら、截拳道の動きやヌンチャクを扱うようなアクションを披露する描写が続く。
さらに同書の中では、リー氏を降霊させた大川氏が空に向けてキックやパンチを繰り出したり、椅子から立ち上がって突如スクワットを始めたり、「裸は美しいんだよ」と呟きながらジャケットを脱ごうとしたり――などの行動を取るシーンもあった。
松尾貴史「すごい!」町山智浩「本当に嫌」
そもそも、なぜリー氏の「霊言」を行うことになったのか。その理由について同書では、リー氏の霊が大川氏の前に現れたと説明。彼の哲学やアメリカに関する考えなどを聞くために、降霊させたとしている。
ただ一方で、同書の中に登場するリー氏の霊は、「なぜ、総裁(マスター)の前にいらしたのですか」というインタビュアーの質問に対し、
「大川隆法はカンフー・マスターだから......。彼と戦うために来た。ハッ!グランド・マスター・チャンピオンと」(原文ママ)
と答えていた。
そのほかにも同書では、リー氏の哲学について詳しく聞いた「ブルース・リーが信じる『タオイズムと自由』」という項や、現代の東アジア情勢についてリー氏が語った「ブルース・リーが分析する『中国、日本、北朝鮮』」などの項がある。
こうした書籍の内容はインターネット上でも話題を集めており、ツイッターやネット掲示板には、
「大川隆法のアクションが気になり過ぎる」
「ネタとしか読めない(笑)インタビュー映像とか、見たことなかったのかしら...」
「これって実際に大川が身振り付きでリーのモノマネしてるの? 映像で見てみたいわ」
といった反応が出ている。そのほか、タレントの松尾貴史さんも29日のツイッターで「すごい!振り切れ方が凄まじい」と反応していた。
ただ一方で、リー氏のファンからは、「ブルース・リーを冒涜してる...」「ブルース・リーが普段の日常生活でも アチョーとか言ってたと思ってんのか」と書籍の内容に反発する意見も。また、映画評論家の町山智浩さんも30日に「もう本当に嫌」との一言をツイートしていた。
なお、書籍の価格は1400円(税別)。ちなみに、リー氏への公開霊言の模様をおさめた動画は、幸福の科学の関連施設で視聴できるという。