公正取引委員会が2017年11月29日、公立中学校の制服の取引に関する調査結果を発表し、その内容についてネット上で議論が巻き起こっている。
制服の値段が10年で5000円上がっていることを報告するなどしており、この値段を巡って「高い」「妥当だ」など、様々な意見が飛び交う。
生地価格の値上がりから制服価格も上昇
調査では16年12月から17年7月にかけ、全国の公立中学校600校に書面調査(回答数は447校)を、45人の製造業者などに対し聴取調査を行った。公取委が調査を行った理由は、学校や制服メーカー・販売店に不適切な取引慣行・取引実態がないかを明らかにするためだ。
2007年と2016年の制服の価格(全国平均)を比べると、男子生徒は2万8000円から3万3000円、女子生徒は2万7000円から3万2000円と、いずれも10年で5000円の上昇。背景には生地の値上げがあるとしている。
また、制服の取引をめぐっては、望ましくない状況が存在すると指摘。
たとえば、学校がメーカーの指定変更を行わず、他社の参入機会を阻んでいるケースや、指定販売店同士で価格を合わせたりするケースなどがあるという。
価格を抑えるためには、自治体で制服の仕様を共通化したり、指定販売店を増やしたり、学校が価格決定に関与する、などの方策が有効だとした。