がん予防に加え、ニンニクパワーがまた1つ 感染症の悪玉菌を同時に2つ退治する

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米国立がん研究所が推奨「がん予防食品」のトップ

   ニンニクには殺菌作用のほかに、高血圧予防、コレステロール低下、血液サラサラ効果などの健康効果が知られているが、なかでも注目されているのが「がん予防」効果だ。米国では1980年代から国を挙げて「食べ物によるがん予防運動」に取り組んでいるが、1990年に米国立がん研究所が推奨する「がん予防に効果がある食品群」(デザイナーフーズ・ピラミッド)のトップにニンニクが選ばれた(イラスト参照)。

   このピラミッド図は、同研究所が世界中の多くの研究成果を元に、上に行くほどがんの予防効果が高く、重要な食品になると選んだものだ。同研究所がニンニクをトップに上げた理由は、あのくさいニオイ成分の1つ「アリシン」に注目したからだ。アリシンは硫黄を含んだ揮発性の高い不安定な物質で、ニンニクを刻んだり、すりおろしたりすると、すぐに様々な硫黄化合物に変化する。実はアジョエンもアリシンが変化した化合物の1つだ。

   アリシンが変化した硫黄化合物の1つ「ジアリルジスルフィド」ががん細胞の増殖を抑えるばかりか、がん細胞を正常な細胞に変える働きをする。また、同じく「S-アリルシスティン」が、がん細胞を攻撃する免疫細胞のNK細胞を活性化させることもわかった。多くの研究では、とくに胃がんと大腸がんに効果が期待でき、中にはがん細胞が消滅した例もある。しかし、肺がんや乳がんには効果は薄いようだ。それに、現在は人間への実証はまだで、あくまでマウスなどの動物実験の段階だ。

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