沖縄県石垣市の尖閣諸島周辺海域への中国公船による領海侵犯が相次ぐなか、中国の習近平国家主席が「(尖閣諸島で中国の)権益を守る軍事行動」を重視しており、日本側がさらに対応を迫られそうだとの見方が出てきた。
習主席が軍幹部の非公開会議で述べたと共同通信が台北発で報じた。中国メディア(ネット版)を確認する限り、会議の存在自体を報じていないようだ。
12日の1回のペースで領海侵犯
習氏の発言は共同通信が2017年12月2日、軍の最高指導機関、中央軍事委員会の拡大会議(2月20日開催)での発言として報じた。発言は、共同通信が入手した中国軍の内部文書で明らかになったという。習氏は
「わが軍は海、空からのパトロールの常態化を一層強化し、海上対処行動を組織し、東シナ海と釣魚島(尖閣諸島の中国名)の権益を守る軍事行動を深く推進した」
「戦略が適切で、積極的に行動すれば、チャンスをとらえることができ、危機さえもチャンスに転じて戦略主導権をしっかりとつかめる。これらのことは実践が証明した」
などと述べたという。一見、攻勢を強めたい考えのようにも見えるが、
「海上で全体として安定し制御可能な状況を保つ」
とも述べたといい、日本側との直接的、偶発的な衝突は回避したい考えのようだ。