自転車を共有し、使いたい時に使う。そんな「シェア自転車」のサービスが国内でじわり普及しつつある。コンビニエンスストア最大手のセブン-イレブン・ジャパンがサービスを本格化させる方針で、これが普及のエンジンとなりそうだ。
これまでも観光名所やリゾート地の移動手段として「レンタサイクル」はあったが、日常生活に使う自転車を共有しようという発想はあまり浸透していなかった。自動車のライドシェア(相乗り)、ホテルの民泊などと同様、「シェアリングエコノミー」の考え方から生まれたもので欧州や中国、台湾などでは近年、急速に普及しており、その波が国内にも押し寄せてきた。
1000店に自転車5000台を設置へ
セブン-イレブン・ジャパンは2017年11月21日、シェア自転車のサービスを拡大すると発表した。ソフトバンク子会社の「オープンストリート」(東京都港区)と提携し、18年度末までに1000店に自転車5000台を設置する。まずさいたま市内の9店でスタートし、18年春をめどに川崎市と横浜市、18年度中に全国の主要都市に広げる。
料金は基本的に15分60円。登録したクレジットカードで利用の都度に決済するので、セブンの店頭で小銭を支払う手間は不要だ。利用者は会員登録し、スマートフォンなどから利用したい場所に近いコンビニを選び予約する。そのコンビニの駐車場の一角がシェア自転車を置くスペースになっているはずだ。あらかじめ「スイカ」などの交通系ICカードを登録しておけば、事前に予約しないでもカードを解錠機にかざすだけで利用できる。自転車はどこでも乗り捨てできるわけではないが、サービスで決められた拠点なら借りたコンビニでなくても返却することができる。
セブンは従来、NTTドコモ傘下のドコモ・バイクシェア(東京都港区)と提携して都内を中心に30余店に約150台のシェア自転車を置いているが、ソフトバンク系サービスを活用することで一気に規模を拡大する。ソフトバンク系と提携した後も、ドコモとの提携関係は続ける。