「これはリンゴだ」と思いながらリンゴをかぐべし
一度減った「嗅神経細胞」は、治療で取り戻せる。
高知大学の耳鼻咽喉科では、嗅覚が衰えた患者に、「オレンジ」「カスタード」など、違うにおいが入った数種類のビンをかがせる治療を行っている。ドイツで開発された最新の治療法で、日本では研究段階のため、保険適用ではない。
しっかりにおいをかぐとにおい物質がたくさん鼻に入り、嗅神経細胞に刺激を与え、細胞の数が増える。何のにおいか意識してかぐと、脳内回路のネットワークも強まる。
これは日常生活でも簡単に行える。食べ物や花など、身の回りのものを意識してかげばよい。
例えば「これはリンゴだな」と思いながらリンゴをかいだり、「コーヒーのいい香りだ」と思いながらコーヒーをかいだりする。普段からにおいをかぐ意識を高めておけば、嗅覚の衰えの予防、改善につながる。