市販の15万~20万円の高額テレビとは比較できない
「安く作るのはいつでもできましたが、海外メーカーからマザーボードを買う必要がありました。それは性能面などでのリスクが高いため、国内製造メーカーの信頼の失墜につながりかねません。そうした中で国内の一流メーカーが提供を始めたわけですから、これはいける、となったわけです」
と説明した。同社は18年間にわたりパソコンのディスプレー、映像・オーディオ関連機器の製造のほか、デジタルサイネージなどのセールスプロモーション関連製品も手がけていて、テレビを作る技術はもともと持っていた。国内の一流メーカーのマザーボードが手に入ったことで高品質、低価格というインパクトを出そうと考案。低価格の実現はこれまで培ってきたノウハウと、取引先の協力によって、テレビパネルなどの部品を安く仕入れることが可能になった。
「この価格としては最大限高品質に仕上げましたが、ハイダイナミックレンジ、倍速といった人気のシステムは搭載していません。市販されている15万~20万円の高額テレビの性能とは比較できないんです。それでもテレビを作り続けて行く限り、性能の向上に取り組んでいきます」
と話していた。それではこうした低価格化の流れから、大手メーカーのテレビも値段が下がっていくかというと、そうはいかないらしい。パーツサプライヤー(部品製造業者)との関係や、製品化する際に厳しい管理基準があり、コストの削減が難しいからだという。そして、
「低価格の4K大型テレビの流れはまだ始まったばかりで、様々な企業が参入し来年以降も注目される分野になって行くだろうと思っています」
と担当者は予想した。