トランプがブチ切れ反論? 「極右動画リツイート」を英政府が批判したら...

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   米国のトランプ大統領が2017年11月29日(日本時間)、イスラム教徒だとされる人物が暴力をふるう動画を相次いでツイッターでリツイート(拡散)し、波紋を広げている。

   動画は元々、英国の極右政党の幹部が投稿したもので、「イスラム教徒への憎悪を煽る」といった批判が相次いでいるのに加えて、動画の説明が誤っているという指摘もある。

  • トランプ氏が拡散した動画。「イスラム教徒の移民が松葉杖のオランダ人少年を殴打」
など3パターンがある。事実関係の誤りも指摘されている
    トランプ氏が拡散した動画。「イスラム教徒の移民が松葉杖のオランダ人少年を殴打」 など3パターンがある。事実関係の誤りも指摘されている
  • トランプ氏が拡散した動画。「イスラム教徒の移民が松葉杖のオランダ人少年を殴打」
など3パターンがある。事実関係の誤りも指摘されている

英報道官「大統領がこういったことを行うのは間違っている」

   問題視されているリツイートは3件。元々は英国の極右政党「ブリテン・ファースト」のジェイダ・フランセン副代表(31)が投稿した動画で、それぞれ

「イスラム教徒の移民が松葉杖のオランダ人少年を殴打」
「イスラム教徒がマリア像を破壊」
「イスラムの暴徒が10代の少年を屋根から突き落とし、死ぬまで殴打」

という説明文がついている。トランプ氏はリツイートした意図について特段の説明をしていないが、英国政府は極右政党の主張をトランプ氏が拡散したことを問題視。メイ首相の報道官は

「大統領がこういったことを行うのは間違っている。ブリテン・ファーストは、ウソを広めて緊張を高める憎悪に満ちた話術で、コミュニティを分断しようとしている」

と談話を出した。

動画の加害者は移民ではなく「オランダで生まれ育った」

   これに加えて、事実関係の誤りも指摘されている。1番目の動画については、在米オランダ大使館がツイッターで、

「動画で暴力行為を行った加害者は、オランダで生まれ育った。オランダの法律のもとで懲役刑を受け、満了した」

と反論。「移民」は事実誤認だというわけだ。残りの2本は13年に撮影された動画で、4年も経ってから何の説明もなく投稿されたことを疑問視する向きもある。BBCによると、2番目のマリア像の破壊動画はシリアで撮影され、2013年にユーチューブにアップロードされた。3番目の動画は13年にエジプトのアレクサンドリアで起こった暴動の様子を収めたもので、犯行に関与した人々は15年に起訴され、そのうち1人が死刑執行されている。

   一方のトランプ氏は、ツイッターでメイ首相のアカウントに対して、

「私に集中せずに、英国内で起こっている破壊的なイスラム過激派のテロに集中しろ。われわれはよくやっている!」

と反論。ホワイトハウスのサンダース報道官は記者団に対して

「これは、我々が議論しなければならない現実の脅威だ」
「ビデオが本物かどうかはともかく、脅威は現実のものだ」

などと話し、トランプ氏を擁護した。

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