記者ブチ切れ?の三菱マテ会見 データ不正、神鋼対応との違い

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   神戸製鋼所に続き、非鉄大手の三菱マテリアルの子会社(三菱電線工業、三菱伸銅、三菱アルミニウム)でも自動車や航空機向けなどに出荷した素材製品の検査データ改ざんが見つかった。

   三菱マテリアルの竹内章社長は2017年11月24日に記者会見し、「コンプライアンス(法令順守)意識の欠如があった」などと陳謝したが、三菱電線では2月に不正発覚後も10月下旬まで不適合品を出荷しており、悪質性の点では神戸製鋼を上回る。竹内社長らは記者会見で原因や組織的関与を問われても「調査中」などと繰り返すばかり。堂々巡りの記者会見は2時間以上に及んだが、三菱側に説明責任を果たそうとする積極的な姿勢は見られなかった。

  • 記者会見に落胆の声が飛び交う(三菱マテリアルの公式ホームページより)
    記者会見に落胆の声が飛び交う(三菱マテリアルの公式ホームページより)
  • 記者会見に落胆の声が飛び交う(三菱マテリアルの公式ホームページより)

2月の不正把握後も10月まで出荷

   この日の記者会見の最大の注目ポイントは、三菱電線の村田博昭社長が不正を把握した2017年2月以降も10月23日に停止するまで「不具合があるかもしれないと認識しながら出荷を続けていた」と認めた点だ。同社が検査データを改ざんしたのは、ゴム素材のパッキンやガスケットで、自動車エンジンなどの油や水漏れに用いる部品。寸法などが納入先の要求や社内基準に合っていないのに、範囲内に収まるようデータを書き換えて出荷していた。

   会見では記者団からは「食品メーカーが食中毒の可能性のある製品をそのまま出荷していたのと同じではないか」「出荷を止めるのが当然で、売り上げ優先ではなかったか」など厳しい質問が相次いだ。村田社長は「全容把握の調査に時間がかかってしまった。親会社に報告して支援を仰ぐべきだった。反省している」と陳謝したが、記者から「適切な対応だったか」と問われた竹内社長は「詳細にわたることはコメントする立場にない。把握していないので答えようがない」などと述べ、子会社に責任を押し付けるかのような発言も目立った。

   不祥事を起こした企業が問題発覚後も不適合品を出荷していた責任は重大だ。同じく検査データの改ざんをしていた神戸製鋼は、経営陣が不正を把握した段階で、問題となった製品の出荷を停止している。経団連の榊原定征会長も11月27日の記者会見で三菱マテリアルの対応を問われ、「(不正が)発覚した時点で可及的速やかに公表するのが原則だ。どんな事情があったのか、聴取したいと思う。日本全体の製造業に対する信頼が揺らぐとは思わないが、日本企業は危機意識を持って初心に帰り、国際的な信頼を立て直す必要がある」と危機感を露わにした。

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