「42度」に注意! 間違いだらけの入浴法 「冷え性はぬるま湯」お悩み別正しい温度は

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「冷え性だから熱い湯に入る」は間違いだった

   早坂教授はまず、42度の温度がカラダにどんな影響を与えるか見せるために、3人の腕に心拍数と血圧を測る装置を付け、入浴前の平常時と、42度と41度の入浴中のデータを調べた。すると、小湊さんの血圧は、平常時で「141」だったのが42度で「158」に急上昇。しかし、41度では「137」に下がった。たった1度の違いで、平常時より高くなったり、低くなったりするのだ。心拍数も同じように上下した。ほかの2人もほぼ同じ結果に。「1度の差」恐るべし。

   続いて3人の入浴方法のチェック、正しい方法をアドバイスした。

(1)手足が冷えるため、熱い湯に入る南雲さん。体温の変化を赤外線画像で調べるサーモグラフィーで見て、42度と41度の入浴直後と1時間後を比較した。すると、何と42度の方が1時間後の体温は下がっていた。熱い湯に入った方がなぜ冷えるのか。

早坂教授「42度の入浴で冷えやすくなるのは、交感神経の影響です。血管が緊張状態になり、毛細血管が縮小して手足に血流が回らなくなり、温かさが体全体に行き渡らなくなるのです」

   そこで、南雲さんには「41度以下のぬるま湯に15分ぐらいゆっくり入った方が冷え性の改善になる」とアドバイスした。

(2)肩こりをほぐすために熱い湯に入る赤塚さん。筋肉の硬さを測る筋硬度計を使い、入浴前と、42度で入浴中の肩の筋肉の硬さを測った。すると、入浴前より入浴中の方が硬くなっていた。次に41度で入浴して測ると、柔らかくなっていた。

早坂教授「赤塚さんの場合も、42度で交感神経が優位になり、筋肉が緊張して硬くなるのです。高い温度で入ると、肩こりがもっとひどくなります」

   赤塚さんにオススメの入り方は「41度以下のぬるま湯で10分ぐらいゆっくり入ると、肩こりと腰痛の改善になる」だ。

(3)気管支炎と鼻炎で呼吸が苦しいため、低めの温度でゆっくり蒸気を吸うことを心掛けていた小湊さんは――。

早坂教授「気管支は交感神経優位で拡張しますから、42度以上の熱めのお湯に入り、蒸気を吸うことで呼吸がしやすくなります」

ということで、小湊さんには「42度で短く5分の入浴」を勧めた。さらに、42度以上の蒸しタオルを使い、蒸気を鼻から20秒吸ってみることも。すると驚きの変化が! 鼻孔が平常時の2倍以上に広がった。交感神経の働きで鼻腔内の腫れがひいたのだ。

小湊さん「呼吸が全然違いますね。だいぶ空気が通るようになりました」
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