常にロボット手術が有効とは限らない
調査では近年のロボット手術の拡大も明らかになっており、2003年には腎臓摘出の外科手術を受けた人のうちロボット手術は約1.5%だったが、2015年には約23%にまで増えている。
この増加についてチョン教授は、「病院側がロボット導入にあたって生じた莫大な初期投資を回収するために積極的に患者にロボット手術をすすめている」「患者自身もロボット手術が技術的に進歩した効果の高い手術だと考えている」などいくつかの理由を挙げている。
「もちろん、ロボットを使用することで医師の負担が減り、患者にとっても特定の手術では明らかに人の手より大きなメリットがあります。とはいえ、あらゆる状況でロボット手術が良いというわけではありません」
技術は進歩するものであり、これから時間が経過すればロボット手術はさらに洗練され、手術時間やコストも小さくなると予想される。しかし今回の研究は、現在のところロボット支援手術が常に正しい選択ではないことを示唆していると言えるだろう。