イベント終了後の木の扱いは「未定」
今回のクリスマスツリーをめぐる騒動はネット上で過熱し、真偽不明の情報が出回ったり、主催者だけでなく企画に協力した企業にも批判が及んだりと、様々な形で波紋を広げている。
はたして、一連の批判を主催者側はどう捉えているのか。J-CASTニュースは11月27日、プロジェクトの実行委員会に取材した。質問と回答を以下にまとめた。
――会場へ移したアスナロの木は、イベント終了後どうなるのでしょうか。すでに、「継ぐ実」と題したバングルの販売が告知されておりますが、そちらとの関係も含めてご説明をお願いします。
「イベント終了後の『あすなろの木』に関しましては、現状『未定』となっております。また、バングルに関しましては、枝の再利用を考えた上での1つの案としまして、日本伝統工芸の匠の技で、長く愛されるアイテムをと思い、企画したものとなります」
――会場に移した木につきまして、「周りが山火事にあい、唯一生き延びた縁起のよい樹」との説明があります。こうした木を移動させるにあたり、地元住民などからの反対はありましたか。また、インターネット上では「神木だったのではないか」との声もみられますが、事実でしょうか。
「地元住民の方々からの反対の声は、私たちの耳に直接届いていないのが現状です。むしろ、あすなろの木の発見から、掘り出し、11月8日の運搬まで、ことあるごとに盛大に応援していただきました。
『神木だったのではないか』とのことに関しましては、事実ではございません。地元神主さんが、本プロジェクトの作業の安全を祈願してくださった際に、『しめ縄』を取り付けていただいた『安全祈願』のためのものです、安全祈願は、2016年5月27日と、2017年10月20日の2回行っております。『しめ縄』が巻かれている『あすなろの木』の画像を見た方が、誤解され波及していった情報となります」
――今回の企画について、インターネット上では「人間のエゴ」「樹がかわいそうだ」との批判が出ております。主催者側として、こうした批判をどう受け止めておりますか。
「たくさんの方々より、ありがたいご意見をいただき、十人十色、様々なご意見がある事を感じております。たくさんの方々に注目されているプロジェクトだからこそ、たくさんのご意見が出てきて、植物に関しての議論の場が増えていることは主催者としてありがたく思っております。
私ども人間は、様々な『いのち』によって生かされており、日々、植物を消費して生活しております。木は、私たちの生活の中で様々なものに活用されています。たとえば、人一人が一生に消費する木の量は高さ20メートルの杉に換算すると110本分ほどになるというデータもあります。
普段、あまり考えることのなかった植物のことに関して、本プロジェクトで、多くの方々が考えるきっかけにしていただければと考えております。みなさまに楽しんで頂くためのプロジェクトについて、間違った情報が拡散されていくのは、残念だと感じております」