「めざせ!世界一のクリスマスツリーPROJECT」。プラントハンターの肩書で活動する西畠清順氏が代表を務める「そら植物園」(兵庫県川西市)を中心とした実行委員会が主催するこんな企画が、インターネット上で物議を醸している。
この企画は、推定樹齢150年の巨大なアスナロの木を富山県氷見市から運び、クリスマスツリーとして飾り付けた上で神戸市内の会場に期間限定で展示するというもの。これに、「人間のエゴだ」「植物の命を大事にしてない」などの批判が相次ぐことになった。
いったい、ネット上で強い反発が起きた理由は何なのか。そして、主催者側は一連の指摘をどう受け止めているのか。J-CASTニュースが取材した。
企画終了後にバングルを発売
今回の企画では、2017年12月2日から26日まで、神戸港にある公園「メリケンパーク」にクリスマスツリーを展示する。氷見市の山中から掘り起こされたアスナロの木は全長30メートル、重さ24トンで、11月17日に展示会場内にある鉢へ移された。
「そら植物園」公式サイトなど主催者側の発表では、運び出したアスナロの木は「周りが山火事にあい、唯一生き延びた縁起のよい樹」と説明。その上で、今回のプロジェクトには阪神・淡路大震災の犠牲者への鎮魂の意味もあるとして、
「神戸から東日本大震災や熊本地震などの被災地への鎮魂、そして復興と再生の象徴として、日本中のみならず世界中へ、未来に向けた希望のメッセージを送ります」
と訴える。
ツリーには、メッセージが書き込めるカード状のオーナメントを飾る。通信販売などで1枚500円(税込)で売り出し、主催者側はオーナメントの数でギネス世界記録の更新にも挑戦する、と伝えている。
いったい、このプロジェクトの何が問題視されたのか。まず批判の対象とされたのが、プロジェクトの実行委員会に名を連ねる通信販売会社(神戸市)が、ツリーを加工したバングルの販売を告知したことだった。
バングルは「継ぐ実」という名前で、価格は税・送料込で3800円。商品の説明ページには、ツリーとなったアスナロの木が「その役割を終えた後、(中略)日本伝統の匠の技で木珠ボウルとして生まれ変わります」とある。
この販売告知を見たネットユーザーから、「クリスマス後はバングルにして1個3800円で売る。これでどうやって自然の大切さとかを伝えられる?」「そのまま植えておくことはできないのかな」との批判が相次いで寄せられたのだ。