「興奮して部屋中駆け回る」「ベランダに出ようとする」
厚生労働省のウェブサイト「インフルエンザQ&A」を見ると、インフルエンザ薬の服用後の「異常行動」について次のような例が紹介されている。
(1)突然立ち上がって部屋から出ようとする。
(2)興奮状態となり、手を広げて部屋を駆け回り、意味のわからないことを言う。
(3)興奮して窓を開けてベランダに出ようとする。
(4)自宅から外に出て歩き、話しかけても反応しない。
(5)人に襲われる感覚を覚え、外に飛び出す。
(6)変なことを言い出し、泣きながら部屋の中を動き回る。
(7)突然笑い出し、階段を駆け上がろうとする。
恐ろしくなる話だが、どのくらいの頻度で「異常行動」が起こるのか。2016年1月に厚労省研究班がまとめた「抗インフルエンザウイルス薬の安全性について」によると、2014~2015年シーズンの「薬による異常な行動と死亡症例報告数」は、以下のとおりだった(カッコ内は薬を使用した推定患者数)。
(1)タミフル:異常行動24件・死者5人(約288万人)。
(2)リレンザ:異常行動3件・死者0人(約137万人)。
(3)イナビル:異常行動5件・死者1人(約380万人)。
(4)ラピアクタ:異常行動0件・死者2人(約21万人)。
しかも最近では、薬を服用しなくても「異常行動」をとるケースが報告されている。数百万~数十万人に数件とはいえ、インフルエンザにかかった子どもには十分注意してあげたい。