おせちの定番「かずのこ」に意外な健康効果 低コレステロール、血液サラサラ、脳活性化

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【おはよう日本】(NHK)2017年11月21日放送 お節料理に欠かせない「かずのこ」食べて健康に

   2017年の11月も下旬に入り、年の瀬が近づいてきた。正月のおせち料理の定番「かずのこ」の予約も徐々に入っている。

   かずのこといえば、「コレステロールが高く、不健康」というイメージがあるが、誤解だという。実は、コレステロールは少なく、イワシやサンマよりDHAやEPAが多い健康食品であることを、日本一の産地・北海道留萌市からNHK記者が報告する。

  • かずのこに意外な健康効果
    かずのこに意外な健康効果
  • かずのこに意外な健康効果

コレステロールはいくらの半分、プリン体も7分の1

   リポーターはNHK旭川放送局の水上裕子記者。

水上記者「かずのこと言えば高級食材、おせちの定番ですよね。かずのこの日本一の生産量を誇っているのが北海道の留萌市です。その留萌市では、かずのこのある誤解を解こうと、新たな動きが始まっています」

   留萌市内の東光小学校では学校給食のおかずにかずのこが使われている。「おいしい」「おいしい」とかずのこを口に運ぶ子供たち。そこに現れたのは、留萌市の公認ゆるキャラ、かずのこ「カズモ」ちゃん。子持ちの25歳、背中にかずのこの赤ちゃん(?)卵をおんぶしている。留萌市では、学校給食の食材にかずのこを積極的に使うなど、消費拡大を目的とした留萌市かずのこ条例を2016年に制定した。

   しかし、かずのこのイメージはあまりよくない。水上記者が街で聞くと――。

高齢男性「コレステロールが高いからね」
高齢女性「コレステロールやプリン体が多いから、なるべく控えています」

   しかし、「皆さん、誤解しています」と水上記者は具体的な数字を挙げて説明した。

(1)コレステロール(100グラム中の量=ミリグラム):すじこ(500)、いくら(480)、かずのこ(230)。すじこやいくらの半分以下だ。=7訂日本食品成分表より。
(2)痛風の原因とされるプリン体の量(同):めんたいこ(159)、たらこ(121)、かずのこ(22)。めんたいこの7分の1、たらこの6分の1だ。=公益財団法人・痛風財団の資料より。

   その一方で、中性脂肪を減らし、血液をサラサラにして動脈硬化を防ぐ効果のあるDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)がイワシやサンマより多いのだ。

(3)DHA/EPAの含有量(同):サンマ(8.6/4.6)、イワシ(12.6/11.2)、かずのこ(17.9/11.8)。=7訂日本食品成分表脂肪酸量より。

「♪血液サラサラ~、脳は活性化~」のアピールソング

   こうしたかずのこの誤解を解こうと、北海道水産加工協同組合連合会では、「かずのこなんの子」というアピールソングまで制作、CDで売り出している。

   「♪血液サラサラ~、脳は活性化~、プリン体は少ないよ~......♪」とウクレレのリズムに合わせた軽快なメロディー。

   さらに地元の水産加工会社「井原水産加工」では、健康効果を売りにした魚卵初の機能性表示食品「健康数の子」を販売している。専門家の協力を得ながら、3年をかけて詳細な健康効果データを収集した。機能性表示食品ということで、パッケージにDHAやEPAの文字を載せ、アピールしている。1袋50グラムと通常より少なめにして、販売価格を500円に抑えた。正月以外にも手軽に食べてもらおうという工夫だ。同社の井原慶児社長が語る。

井原社長「かずのこは絶対体にいいという信念を持ってやってきました。皆さんの健康に役立つことを第一に考えています」

   北海道水産加工協同組合連合会では、ホームページ上で、様々なかずのこ料理のレシピや作り方の動画を公開している。

水口記者「かずのこの簡単な塩抜き法や宝船寿司、かずのこを使ったフライ、生春巻きなども紹介しています」
高瀬耕造キャスター「いやあ、確かに誤解していましたよ」
和久田麻由子キャスター「お正月にしか食べないなというイメージもあったので、広がっていくといいですね」
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