中国「双11」が変えた世界の消費 もはや国内のお祭りではない

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   中国の「消費者のお祭り」として知られる11月11日、いわゆる「双11」は、2017年、本当の意味で国際ショッピングデーの名にふさわしいものとなった。ダブルイレブン、中国では「独身の日」と呼ばれる日だが、今年は世界の225カ国・地域をカバーし、その取引量が米国の「ブラックフライデー」「サイバーマンデー」を超えた。

   報道によれば、アリババでは14万の小売店がこれに参加し、そのうち6万は海外からの参加で、海外の小売店は2016年に比べて5倍近い猛烈な伸びとなった。

  • もはや中国にとどまらない国際ショッピングデーと化した「双11」(画像はアリババグループの公式ホームページ)
    もはや中国にとどまらない国際ショッピングデーと化した「双11」(画像はアリババグループの公式ホームページ)
  • もはや中国にとどまらない国際ショッピングデーと化した「双11」(画像はアリババグループの公式ホームページ)

力見せつけたアリババのプラットフォーム

   1996年、米ウォルマートが深圳の羅湖区洪湖路で初のショッピングモールを開業し、中国で1000億ドルという野心的な年間販売額を打ち立てると宣言したとき、中国人は米国の商業文明に畏敬の気持ちを抱いたものだ。その20年後、「ダブルイレブン」はあのときのウォルマートのように、アリババ、京東のようなEコマース・プラットフォームの助けを借りて、グローバル化販売とショッピングのモデルを打ち立て、外国人に中国人主導の商業文明を見せつけた。

   『人民日報』駐モスクワ記者の報道によれば、モスクワの現地時間11月11日深夜、アリババの「アリエクスプレス」(「速売通」)が、この日の取引データを発表した。アリエクスプレスは、中小企業が卸売、小売業者と接触するのを助け、少量で多数回にわたる快速販売を行い、注文・支払い・物流を一体化した対外貿易オンライン取引プラットフォームだ。セールが始まって5分で「天猫(Tmall.com)」では1億ルーブル(1ドル=60.12ルーブル相当)を超える商品が販売され、総取引額は16年同期の2倍となった。

   まだ11月にならないうちから、「アリエクスプレス」のブラジルでのサイトを開くと、「ダブルイレブン」のマークが目の中に飛び込んできた。SNSでは多くのブラジルのネットユーザーが11月11日の買い物計画について意見をシェアしており、サンパウロに住むブエノさんは、「『アリエクスプレス』の『ダブルイレブン』には本当に安くて叫びをあげてしまうほど」と感嘆する。

ロシアの国際小包は3年で7倍に

   中国のEコマースが海外で発展するにつれ、海外の協力者の処理効率と能力は「ダブルイレブン」の巨大な圧力を受け、大幅に改善されはじめている。今ではロシア郵政が毎年取り扱う国際小包の量は3年前の7倍となり、現地の銀行も巨大な瞬間的決算量を「ハッカー襲撃」と捉えることはなくなっている。2年前、ロシアEコマース市場はまったく未開拓であり、アリババのロシア業務担当者はたった1人しかいなかった。今日では、ロシアで業務を展開している中国のネットショップは70社以上に達している。

   2017年にはアリババ傘下のビッグデータ物流プラットフォームの「菜鳥」ネットワークも旧ソ連圏の市場に進出し、「アリエクスプレス」とともに全面的にロシア、ベラルーシ、ウクライナなどで物流サービスをアップグレードし、グローバル物流スタンダードが逐次統一されつつある。「アリエクスプレス」の売り手はすべてのウクライナやベラルーシなどに売る商品に追跡番号をふり、物流運営企業のシステムの中で荷物の追跡ができるようになっている。今年の「ダブルイレブン」に注文したロシアの買い手は、10日以内に品物を受け取ることができるだろう。

   中国の物流モデルはまたラテンアメリカ国家の物流効率をも高めている。昨年、「菜鳥」ネットワークと「アリエクスプレス」は南アメリカ専用ラインをオープンさせ、今までに比べると50%以上の時間短縮となった。この専用ラインではさらに中国から南米国家の完全な情報追跡を提供することができ、最初の1キロの荷物受け取り、効果的な集荷倉庫、素早い国際幹線、最後の1キロ情報などのサービスを行っている。

「ダブルイレブン」でVR商店も

   中国人の生活を変えたショッピングモデルと社会の連携革新は、「ダブルイレブン」の海外進出とともに、今まさに世界へと広まりつつある。

   これは、いわゆる「爆買い」を支えた技術アプリが人々の生活を変えたことを意味する。11月7日、ロシア企業とアリババがともに打ち立てた世界初のバーチャル・リアリティー(VR)商店ネットワークが、正式にユーザーに開放された。このプロジェクトはロシアの11都市で121店のVR商店を開き、ユーザーはスマホあるいはタブレットでアプリをダウンロードし、家でVRへルメットを利用して、その中で商品の情報と価格を調べ、買い物注文を出すというものだ。

   「ダブルイレブン」の大きな成功は、中国外の多くの小売商に新たにEコマースの価値とデジタル生活の意義を見直させている。ブラジルの小売販売会社ヴィアはすでに3年連続で「ダブルイレブン」のセールを行っている。

   アリババが作りだした「ダブルイレブン」は、今やもはや世界のお祭りになりつつある。

(在北京ジャーナリスト 陳言)

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