読み書きできず、「頭替えたい」と親にぶちまけ... 当事者が語る「学習障害」の真実

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

【ウワサの保護者会】(Eテレ)2017年11月11日放送
「理解してほしい!学習障害のこと」

   近年「発達障害」への理解が進み、保育や教育の現場で様々な支援が行われ始めているが、その中の「学習障害」は周りから気付かれにくく、適切な対応ができていないケースが少なくない。

   学習障害の人にはどんな特性があり、どのような支援が望ましいのか。番組では、当事者とその保護者が経験談を明かした。

机の上に手紙「何でそんなにバカなの?」

   発達障害には、注意力や集中力に課題がある「ADHD」、対人関係の不器用さや物事への強いこだわりがみられる「自閉スペクトラム症」、そして、読み書き、計算などに著しい困難を抱える「学習障害」がある。

   ダンスやファッションが好きなジンくん(中3)は、文字の読み書きが苦手だ。ひらがなは何とかできるが、漢字はまだ難しい。少しでも読みやすいよう、文字が大きい教科書を支給されているが...。

ジンくん「読めないです。ふりがなが入っていないとほぼ意味ない」

   学習障害の人は、小学校に入った時に様々なつまずきに直面するケースが多い。ジンくんは教科書の音読が上手くできず、板書を書き写せなかったため、授業について行けなかった。

   当時のテストの答案を見ると、回答欄は埋まっているものの、ほとんど間違っている。ジンくんの母・カバさんも学習障害があり、わからなくても必死に答えるジンくんの辛さが痛いほどわかった。息子の頑張りを認めてあげたいと、0点のテストに後からマルを付けて100点に書き換えていた。

   ジンくんは、他の子と同じようにできない苛立ちをカバさんにぶつけた。

カバさん「『頭替えたい、頭替えたい、もうバカなのは嫌だ』って、すごいもがいていました」

   小学2年のある日、ジンくんの机の上に手紙が置いてあった。何が書いてあるかわからず、先生に教えてもらおうと手紙を持って行った。書かれていたのは「何でそんなにバカなの?」。クラスメートを問いただす先生の様子から内容を察し、心が折れた。

ジンくん「悔しかったというより悲しかった。その手紙があってから勉強やる気なくしちゃって、授業も聞いてなかったし、聞く気もなかったです」

   小学6年の時、学校の先生の勧めで専門医を訪ね、ようやく学習障害と診断された。

ジンくん「ショックも少しはあったけど、『学習障害だから』と『バカだから』は全然違うから、診断で結構助けられた。先生たちもテストで読み聞かせしてくれるようになったし、結構いい点数取れたから、それから勉強楽しいなと思った」

   今は、勉強に遅れがある生徒を手厚くサポートしてくれる公立高校への進学を目指すまでに勉強への意欲を持っているが、合格できるのか、入学できても必要な支援が受けられるのか、不安は尽きない。

姉妹サイト