「最後の場所のような気持ちで臨みたい」
稀勢の里は春場所で負傷した左肩付近のケガが響いており、先の秋場所は初の全休。九州場所は復活を期したが叶わなかった。勝ち続けることが至上命題の横綱にとって、休場続きは進退に関わる。引退したここ数代の横綱も、武蔵丸や若乃花など、ケガの影響で休みがちだった力士は少なくない。
ケガといえば、鶴竜も右足首痛や併発した腰痛のため、九州場所を休場。これで4場所連続休場(全休は2場所連続)となった。7月の名古屋場所で途中休場した際、師匠の井筒親方は、次の出場場所の成績次第で進退を判断する意向を示していた。九州場所前にも、18年1月の初場所に「最後の場所のような気持ちで臨みたい」としていた。
白鵬は九州場所9日目終了までで唯一全勝街道を走るが、全盛期と比べての衰えは以前から指摘されている。16年名古屋場所は5敗、全休を挟んで同年九州場所、17年初場所はともに4敗と、5場所連続で優勝から遠ざかった。なお、この初場所では14日目に貴ノ岩に敗れており、日馬富士問題の発端との報道もある、貴ノ岩による「俺は白鵬に勝った」「あなたたちの時代は終わった」発言につながったとされる。
白鵬は所属の宮城野部屋ですでに後進の育成にも注力しており、将来的に自身が部屋を創設したら連れて行く予定の「内弟子」として、十両・石浦や幕下・炎鵬ら複数の力士を抱える。白鵬自身、親方になるために唯一足りなかった「日本国籍」を取得する意向があると7月に報じられた。ただし、7月21日付の日刊スポーツなどによると、2020年の東京五輪まで現役生活を続ける意向も示している。
大関陣から近く横綱が誕生するかといえば、こちらも不透明だ。豪栄道は16年秋場所で全勝優勝したが、綱取りをかけた次の場所は9勝6敗。また17年秋場所は11日目まで1敗を守っていたが、残り4日で3敗。勝ち星を安定してあげられずにいる。大関昇進3場所目の高安は、今場所9日目終了時点で3敗を喫しており、綱取りにはしばらくかかるとの向きは強い。
年齢的には現役4横綱はいずれも30歳超。ともすれば立て続けに引退劇が起き、横綱空位時代が突然到来する可能性も否定できない。ツイッターではここ数日、
「横綱ゼロ時代も近くなった」
「北勝海引退から曙が横綱になるまで横綱がいなかった時代があった。それ以来の横綱空位ということもあるかも」
「思うに、もし現横綱が全て引退した後は横綱不在が1年以上続くんじゃないかと」
といった声が複数見られる。