紫外線対策と保湿で頭皮のケアを
ダメージを受けた頭皮には、適切なケアが必要になるだろう。はたして、何か特別な方法が必要だろうか? 正木医師はスキンケアの延長として考えることが重要だと指摘する。
「スキンケアと同じように、基本は紫外線対策と保湿です。屋外で長時間日光に晒される場合は帽子をかぶり、紫外線から頭皮を守るべきでしょう」
帽子をかぶると抜け毛が増えるなどと言われることもあるが、正木医師はそれは都市伝説に過ぎないときっぱり否定した。
「1日100本程度髪が抜けることは、誰にでも自然に起きることです。帽子をかぶっていると、普段は抜けて床などに落ちてしまう髪の毛が帽子の中に残り、脱いだ時にまるで大量に抜けたように感じてしまうことをもとに、帽子イコール抜け毛という感覚になったのだと思います」
頭皮の紫外線対策として外出時の帽子は重要
シャンプー選びも頭皮ケアには重要な要素だ。汗をかきやすい夏場は特にそうだが、さっぱりしたいという気持ちや頭皮の脂っぽさを落としたいと、洗浄力の過度なシャンプーを使う方も少なくないだろう。しかし、頭皮ケアもスキンケア同様で、過度に脂分を落としすぎることなく適度な油分と潤いを保つことが大切なポイントなのだ。
「血行不良が問題だと信じて頭皮をマッサージするという行為も、やりすぎたり、やり方を間違えると、摩擦によってダメージを与えてしまうことがあります。良かれと思ってやっていたことでも、実際には頭皮のコンディションを悪化させ、脱毛リスクを高める要因となる行為は少なくありません」
より髪の毛のことを考えるなら、十分な睡眠時間を確保することや、バランスのよい食事で良質なたんぱく質を摂取することが大切だと正木医師は話す。
「男性型脱毛(AGA)の治療を受けている方も、適切な頭皮ケアを行い規則正しい生活習慣を守っているほど治療効果が高くなっています。ベースとなる頭皮や、健康な生活を心掛けるという事は、あたりまえながら髪にとっても良いことといえるのです」