夏日もあった9月から一転、10月は一気に寒さを感じるようになり、11月は冬へと突き進み始めている。「秋の気配」が欠けているようだが、8月も晴れの日が少なく「夏」という感覚はあまりなかったような気もする。
東日本はほとんど日が差さなかった8月(気象庁報道発表より)
気象庁が9月1日に発表した「8月の天候」によると、「夏」感の少なさは気のせいではないようだ。東日本の日照時間は「かなり少なかった」とされており、気温こそ平年並みだが多くの観測地点での月間日照時間の最少記録を更新したという。
反対に10月2日に発表された「9月の天候」では日照時間が「かなり多かった」となっている。日照時間だけで見れば、夏本番は太陽をあまり見かけず、初秋になって日差しが照りつけていたようだ。
8月は日照時間が短かったが、紫外線は...
太陽の照りつけない夏は、人により物足りなく感じることもあるだろうが、体にとっては決して悪いことではないだろう。なぜなら、体感温度は直射日光の有無でかなり変わる。環境省が発表している「まちなかの暑さ対策ガイドライン」では、衣服や風の状態によって差は出るものの気温が30度で直射日光を浴びている場合、体感温度が40度近くに達することもあるのに対し、日差しがさえぎられると7度程度低くなると解説されている。過ごしやすくなるだけでなく、熱中症リスクも低下することが期待できる。
紫外線はどうだろうか。夏の強い日差しが照りつける時間が短ければ、紫外線を浴びる時間も少なくなっていたのではないだろうか。
紫外線が体に与えるダメージはよく知られている。夏は肌の露出も多く、紫外線の影響を大きく受けシミや老化の原因となることはもはや常識だ。普段は意識しない人でも、日焼け止めやスキンケアへの関心が高まる。
紫外線の肌ダメージ、頭皮への影響も?
さらに、銀座総合美容クリニックの院長である正木健太郎医師は、「頭皮も肌の一部である以上、紫外線を浴び続ければコンディションの悪化が懸念される」と指摘する。とはいえ、頭皮は髪に覆われているため、他の体の部分と比べ多少シミなどが生じたとしても気にならないようにも思える。
「頭皮のコンディション悪化で懸念されるのは、髪の毛への影響です。髪の毛が抜け落ちるなどということはありませんが、紫外線を浴び続ければ頭皮環境も肌と同じように悪化します。そうなれば髪の毛の生育にも悪影響を与え、抜け毛のリスクを高める可能性は十分にあります」
頭皮への紫外線ダメージ、考えてましたか?
紫外線による肌へのダメージを気にする男性は少ないかもしれないが、脱毛リスクを高めるとなると話は変わってくるだろう。8月の紫外線はどの程度だったのか。
気象庁が公表している、紫外線の人体への影響を元に「1~2(弱い)」から「11(極端に強い)」で紫外線の強弱を示した指数「日最大UVインデックス(推定値)」で東京や山形、新潟など東日本の8月の数値を見てみると、いずれも5.5~5.7程度で「中程度」「強い」というデータだ。
2016年もやはり8月のUVインデックスは平均で6程度となっており、日照時間が短くても特に紫外線が弱くなっているわけではなく、平年並みだ。数値的には日照時間が長かったという西日本とほとんど差がない。