先住民と非先住民の間に大きな差も
なぜ豪州で急激な淋病感染者増加が起きているのか。豪州保健省のレポートは性的行動の変化や検査と治療の実践の違い、都市部で性感染症に感染しやすい状況になっているなど複数の要因を推測・指摘しているものの、原因不明であるとの見解を示している。
米CNNは11月5日付の記事の中で、先住民と非先住民では前者の感染者数が6.9倍も高くなっており、検査や治療、予防教育の周知などの面でも先住民は非先住民よりも充実したサービスが提供されていないと指摘する豪州保健当局の声を取り上げていた。とはいえこうした先住民の医療サービス問題は他の病気にも共通しており、これが原因とは考えにくい。
世界保健機関が2017年7月に抗生物質への体制を持った淋菌の出現を懸念する声明を発表しており、こうした耐性菌が感染を拡大させているのではないかとの声も出ているようだが、豪放送協会のニュース番組は11月6日の報道の中で、「耐性菌への懸念はあるが、現状では治癒率は低下しておらず、感染拡大に影響はしていない」との専門家の意見を伝えていた。