ACL決勝に進出したサッカーJ1・浦和レッズの応援のため、多くのサポーターがサウジアラビアまで足を運んだが、その背後には外務省の協力があったらしい、という噂が広がっている。
これに「ベルマーレの予行練習です」と反応したのは、河野太郎外相。トップの発言に複数のユーザーが「ご配慮いただきありがとうございました」と感謝している。河野氏はJ2・湘南ベルマーレの代表取締役会長をつとめた経験があり、サッカー好きで知られるが、外務省の尽力はあったのか――?
「ベルマーレはACLチャンピオンを目指し着実に歩んでまいります」
浦和は2017年11月19日未明(日本時間、以下同)、クラブのアジア王者を決める「アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)」で、アル・ヒラル(サウジアラビア)との決勝第1戦をサウジアラビア・リヤドで行った。浦和がACL決勝に進んだのは優勝した07年以来10年ぶり。日本勢全体でも08年に優勝したガンバ大阪以来9年ぶりの躍進となっている。
J屈指の人気クラブである浦和は17~19日の日程で現地観戦ツアーを組んでおり、11日のスポーツ各紙の報道によると参加者数は240人。日本代表戦でも50人程度のため、異例の多さだという。
そんな中、ツイッターでは17日、あるユーザーが「今回の浦和サポの大量渡航に関して外務省もかなり骨を折ってくれたらしい」と投稿した。加えて、外務大臣の河野太郎氏が政界でも指折りのサッカー好きであることも影響したのではないかとして、そうであれば感謝したいともつづっている。
この約1時間後、公式アカウントで「ベルマーレの予行練習です」と反応したのが河野氏その人だった。湘南ベルマーレの元代表取締役会長で、現在もツイッターで湘南の応援をすることもしばしば。しかも10月29日には、J2首位を走る湘南について「ベルマーレはACLチャンピオンを目指し着実に歩んでまいります」と、アジア王者に触れている。いつか湘南が同じようにACLの大舞台で戦うのを見据えたもの、ということなのか。
「サウジアラビアは査証(ビザ)取得が難しい」
投稿には「同志達をスムーズにサウジアラビアまで連れて行ってくれてありがとうございました」「ご配慮頂きありがとうございました」などと感謝するリプライが届いているが、外務省が本当に何らかの協力をしたかどうか、河野氏からそれ以上の言及はない。
ただ、浦和の堀孝史監督も外務省の協力について言及していた。日本サッカー協会(JFA)公式サイトは18日、現地で開いた同日の記者会見のレポートを公開しており、堀監督は「今回の渡航にあたって、サウジアラビアの関係者のみなさまや日本の外務省の方々が尽力してくださったと聞いています。そうしたサポートに関しても、感謝して明日の試合を戦いたいと考えています」と述べている。
外務省の担当者は20日、J-CASTニュースの取材に対し、浦和サポーターの渡航について
「サウジアラビアは査証(ビザ)取得が難しく、申請から時間がかかります。一度に多くの方が渡航するということで、在京大使館に宜しくお願いしますと協力の呼びかけはしていました」
と話す。河野氏らの言及については「そのことを仰っていたのかもしれません」としている。また、こうした呼びかけは
「あまり一般的にはしていません。今回は特に人数が多いということで、渡航できなくなるわけにはいきませんから、外務省としてできることをした次第です」
と話していた。
約6万人が詰めかけたこの決勝第1戦を、浦和は1対1で終えた。25日にホーム・埼玉スタジアムで行う第2戦との合計点で、ACL覇者が決まる。