ノーベル賞を先取り!「忍者」に学ぶ健康法 眼精疲労解消、スーパー呼吸法、驚異の記憶術

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忍者は体の場所で、複雑な数字を覚える

   情報を手に入れる際、忍者には「掟」がある。文書に記録してはいけない。敵に捕まった時に正体がわかるからだ。そこで忍者独特の記憶術がある。彼らの記憶がいかにすごいか、古文書に残っている。冒頭の織田軍を壊滅させた丸山城攻めで、潜入した忍者が城の状態を報告した内容が残っている。「城郭の高さ3間(けん)。二の丸に通じる道の曲がり角9か所、山上の敷地は南北69間、東西45間、馬9頭、見張りの数は......」。これをどうやって記憶するのか。

   また、川上さんに解説してもらおう。

川上さん「修行で習ったのは、自分の体の場所で数字を覚える方法です。頭を1、額を2、目を3、鼻を4、耳を5、口を6と番号を振っていきます」

   例えば、見張りが4人なら鼻を触る、馬が5頭なら耳を触る。さらに「物事を大げさに表現する」と覚えやすい。門番が3人なら「大きな目(注:目は3)の門番」、見張りが4人なら「鼻(注:鼻は4)汁を垂らした見張り」と覚えるのだ。

   実は、この場所で記憶する方法は、現代医学でも裏付けられている。2014年にノーベル医学・生理学賞をとったジョン・オキーフ博士の研究がそれだ。オキーフ博士は脳の記憶をつかさどる海馬に「場所細胞」があることを突きとめた。迷路の実験で、マウスは曲がり角を「場所細胞」で記憶していることがわかり、人間にも場所細胞があることを発見した。だから、場所に関連付けて覚えると記憶が定着しやすい。

   例えば、リビングで「コーヒーを飲みたい」と思い立ち、台所に行くと、何しに行ったか忘れることがある。しかし、リビングに戻ると思い出すのは、場所細胞が記憶しているからだ。何かを覚えたい時、忍者のように体の部分や家の中の特定の場所に関連付けて覚えるのがオススメだ。

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