「希望の党が惨敗」の影響
今回の議論は、「東京は裕福」として一定の負担を求められるということでは、年末の税制論議、予算論議の「恒例行事」とも言える。過去にも、法人事業税・法人住民税をめぐる東京負担など厳しい議論があった。ただ、今回は小池知事の存在が議論に微妙な影を落としているとの指摘がある。
税制に関する都としての理論武装の場ともいえる都の税制調査会は例年、10月に答申を出すが、今17年は衆院選が突然実施され、これに小池知事が希望の党を設立して参戦するという一連の事態を受けて、都税調の議論が停滞し、答申が遅れている。さらに、「希望の党の惨敗で小池知事の立場が格段に弱体化したうえ、対立する都議会自民党に、与党税調への働きかけの側面支援を頼むのも難しい」(全国紙政治部デスク)。
現実には、100%人口で配分するなどの極端な結論は考えにくく、消費額と人口のバランスをどう修正するかという落とし所を探ることになるが、現状で押され気味の東京都など大都市側がどこまで押し戻せるか、予断を許さない。