「オーケー......グーグル......」――朝の布団の中、半ば無意識のうちにこの言葉が口から漏れた。ほとんど寝言である。自分のことながらギョッとした。
街を歩いているときも、スマートフォンを取り出す代わりに、思わず「OK Google」と呼びかけそうになることがある。購入して2週間、すっかり生活になじんでしまったことに驚く。
六畳アパートとスマートスピーカー
スマートスピーカー(AIスピーカー)は2017年秋、主要製品が一斉に日本上陸、「ポストスマホ」として熱視線を集めている。
記者も、さっそく「Google Home Mini」を予約した。LINEの「Clova WAVE」、Amazonの「Amazon Echo」などライバル商品にも心が動いたが、Googleのサービスは多く利用しているし、「ミニ」なら6000円(税別)とリーズナブルだ。
10月28日、ようやく届いた「ミニ」は、大きさは手のひらに少し余るほど。丸っこい見た目は、写真を見せた妹いわく「あんまんみたい」。
さて、簡単なセットアップを終え、いきなり困ってしまった。買ってはみたものの、何かさせたいことが思いつかない。一応、チュートリアルでいろいろ指示方法は教えてもらっていたので、いくつか聞いてみる。
「OK Google、象の鳴き声は?」
『象の鳴き声を再生します。......「パオーン」』
古アパートの六畳間に、寂しく象の声が響く。違う。こんなことがしたいわけじゃない。
「OK Google、音楽を再生して」
『Google Play Musicで、YMOの「ONGAKU」を再生します』
うん、そうだけどそうじゃない。「音楽を止めて」というが、反応なし。あっ、と思い出して、「OK Google、音楽を止めて」。何か頼むたびに「OK Google」(「ねえGoogle」でも可)と言わなきゃいけないのは結構面倒だし、ちょっと恥ずかしい。