横綱・日馬富士の暴行問題発覚から4日目、世間の関心は被害者とされる前頭8枚目・貴ノ岩の師匠である貴乃花親方の、「不可解な行動」に移りつつある。親方の真意をめぐって憶測も飛び交っている。
焦点となっているのは、親方が警察に被害届を提出した一方、日本相撲協会には報告しなかったこと。さらに、その後協会から受けた聴取に「わからない」としたこと。親方の母・藤田紀子さんは2017年11月17日、テレビ番組で「何か胸の内にあるのではないでしょうか。言えないことが」と意味深な発言をしている。
「徹底的にやろうと思った可能性が大きい」
日本相撲協会やスポーツ紙報道によると、秋巡業中の2017年10月25日深夜に開かれた酒席で暴行がなされると、貴乃花親方は同月29日に鳥取県警に被害届を提出。だが、親方は協会にこの問題を報告しなかった。協会は11月2日に警察からの連絡で事態を把握し、3日に貴乃花親方と日馬富士の師匠・伊勢ヶ浜親方を聴取したが、両者「わからない」と多くを語らなかったとされる。
巡業部長の貴乃花親方は、巡業中に起きたトラブルを協会に報告する立場にあるが、これを怠った形となった。東京相撲記者クラブ会友の杉山邦博氏は、16日放送「情報ライブ ミヤネ屋」(日本テレビ系)で、
「貴乃花さんは巡業全体を掌握すべき立場です。その過程で起きた出来事ですね。警察に被害届を出した事実がある以上、重役として協会トップはじめ、親方や理事らに相談や報告するなり、話を通していないとおかしいんです」
と語気を強めて貴乃花親方を批判した。
一方、藤島部屋(後の二子山部屋)の元おかみで、貴乃花親方の母・藤田紀子さんは17日放送「バイキング」(フジテレビ系)で、親方の考えを推測した。
「今まで巡業中、私からすると『事件だわ』ということも耳にしております。でも公になっていない。そういうことを見聞きしている貴乃花親方が、徹底的にやろうと思った可能性が大きいと思います」