漫画家のカメントツさん(31)がツイッターに掲載している「こぐまのケーキ屋さん」シリーズの書籍化が、第1話の公開からたった6日で決まった。2017年11月15日、カメントツさん本人がツイッターで明かした。
J-CASTニュースの取材に、カメントツさんは「これまでも漫画家として活動してきましたが、こんなことは初めてでとにかく驚いています」とコメント。なんと、第1話をアップした段階で、複数の出版社から書籍化や連載のオファーが届いたというのだ。
「癒される」世界観で話題に
カメントツさんは、「月刊少年サンデー」(小学館)で連載していた「カメントツの漫画ならず道」などの作品で知られる漫画家。潜入取材やインタビューなどの体当たりルポが人気で、ウェブメディア「オモコロ」などではWebライターとしても活躍している。
そんな「ルポ漫画家」のイメージが強いカメントツさんが、11月9日にツイッターで公開したのが、「こぐまのケーキ屋さん」という作品だ。
主人公はケーキ屋を営む「こぐま」。テディベアのような可愛らしい見た目で、白いコック帽を被ったキャラクターだ。ストーリーは1話完結で、こぐまと「お客さん」のほんわかとしたやり取りが描かれている。
愛らしいこぐまのキャラクターと優しい世界観が「癒される」とツイッターで大きな話題となり、1話の投稿には11万回以上のリツイート、25万件以上の「いいね」が集まった(17日昼時点)。その後も、新作が公開されるたびに大きな反響を呼び、著名人もツイッターで次のように反応している。
「ああんもうかわいいなぁ」(「AAA」日高光啓さん)
「いやぁ、ツイッターに欠かせなくなってるなぁ」(糸井重里さん)
「カメントツが『こぐまのケーキ屋さん』というもの凄くいい漫画を描いていて、1話目から心にググッときた」(漫画家・島本和彦さん)
こうした「こぐまのケーキ屋さん」について、カメントツさんは15日のツイッターで、
「みなさまの応援のおかげでこぐまの本が出ることが決まりました!こんなに早いとは思っていませんでした...本当にありがとう!」
とイラスト付きで報告。なんと、1話の公開からたった6日で書籍化が決定したというのだ。
オファーは「20社以上」
とはいえ、「こぐまのケーキ屋さん」はまだ公開が始まったばかり。実際、17日夕までに9話分しか公開されていない。いったい、どういう経緯で書籍化が決まったのだろうか。J-CASTニュースが、カメントツさんに聞いた。
17日昼の取材に応じたカメントツさんは「まだお話しできないことが多いのですが...」と前置きしつつも、第1話をアップしてすぐの段階から、複数の出版社からオファーを受けたと告白。その上で、
「これまで20社以上の出版社、メディアさんから、書籍化や連載のお話がありました。ほかにも、複数のおもちゃメーカーからグッズ化のオファーを頂きました」
とも明かした。また、本人のツイートによれば、そのほかにアニメ化の誘いもあったという。
このように大反響を呼んでいる「こぐまのケーキ屋さん」だが、カメントツさんは「もともとは、シリーズ化は考えていませんでした」と話す。その理由については、
「もともとは、友人を元気付けようと描いた作品でした。それをツイッターに投稿したところ、本当に沢山の方から『癒された』『元気を貰えた』とのリプライ(返信)がありまして。こうした反応を見て、続きを書こうと思いました」
と説明。また、本来は同世代の友人に向けて描いた漫画だったため、「幼いお子さんに楽しんで頂いているとの報告も多いのですが、これは本当に予想外で、嬉しい驚きです」とも振り返る。
なお、友人のため描いた漫画に多くの出版社などからオファーが届いた状況については、
「友人と自分がプライベートで作った目玉焼きに、大手の飲食チェーン店から『ウチで提供させてくれ!』とのオファーが届いたような、そんな信じられない気分です」
とポツリ。今後の活動について聞くと、「ルポ漫画は自分のライフワークのようになっているので、これからも続けますよ。『こぐま』と両立していけるよう、頑張っていきたい」と話していた。