インターネット上での人種差別的な書き込みにより精神的苦痛を受けたとして、在日朝鮮人のフリーライター・李信恵(リシネ)さん(46)が、まとめサイト「保守速報」に2200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁は2017年11月16日、運営者に対して200万円を支払うよう命じた。
各メディアによると、運営者側は「記事は別のサイトなどから文言を加えずに引用しており、新たな権利侵害はない」と主張していたものの、判決では、投稿の過程で新たな意味合いを付与したとして、引用元の書き込みとは別に人格権を侵害したとしている。
李さんは会見で「今、フェイクニュースやデマのサイトがあふれているので、自浄効果になれば」とコメント。また17日はツイッターで「勝訴しました。本当に良かった」と報告した。原告側は「保守速報」で16日、「多分、控訴すると思います」とした。
まとめサイトの書き込みは、ネットの掲示板「2ちゃんねる」(現・5ちゃんねる)から引用されることが多い。大手まとめサイト「はちま起稿」の元管理人・清水鉄平氏による著書『はちま起稿 月間1億2000万回読まれるまとめブロガーの素顔とノウハウ 』(SBクリエイティブ)によると、その理由として
「あくまで転載しているだけなので責任を追及されにくい」
などと説明している。