米軍に接収された松屋銀座
モージャー氏は上記の名古屋のほか、東京、大阪、広島など各地の写真を残している。
たとえば、銀座の街角。「TOKYO PX」の大看板を掲げるのは、今も営業が続く松屋銀座だ。当時は米軍に接収されていた。そしてそのすぐそばには、掘立小屋のような露店が立ち並んでいる。
広島の街並みは、他にも増して荒涼とした風景だ。ぐんにゃりと曲がった鉄骨、壁だけが残った建物。そして、原爆ドーム。現在では平和記念公園として整備されたドーム周辺だが、当時はそのすぐそばまで、多くの真新しい墓石が連なっていた。
ほかにも、やはり米軍に接収されたそごう大阪店(現・心斎橋本店)、黒く焼け焦げた名古屋の松坂屋、野原に放置された一式陸上攻撃機の残骸、色鮮やかな着物を着た若い女性たち......。
一連のコレクションはツイッターなどでも「超貴重」などと話題になっており、反響のつぶやきが次々と寄せられている。
「メッチャ興奮するなコレ......全部デジタルコレクションで見られるのはありがたい限りだ」
「思わず全部見入ってしまった。戦災を受けた名古屋の写真はあまり見たことがなかったが、これほどの惨状とは」
「昔から変わったものと、今もそんなに変わってないもの。感慨深い」