「『隠蔽』や『脅し』と捉えられかねない状況では、火に油を注ぐ行為」
「まず『アカウント閉鎖』をすると、公に意見を表明する場がなくなります。次に『削除依頼』はイタチごっこになりがちで、ただ削除しても同じ内容が繰り返し書かれていきます。削除したい情報があるのだと加害者側に伝えることにもなり、弱点をさらすことになりますので、何もしない場合よりも炎上が加速するおそれがあるのです。デマであれば長期的には削除依頼をすべきですが、その際もなぜ削除するかを説明する必要があります。
『告訴』については、対決姿勢を示すことになります。生活に支障が生じないよう、都道府県警のサイバー犯罪対策課などに相談するのは重要です。一方、いわれがなくてもリンチされている側に疑惑がもたれた状態では、告訴する旨を公にした場合『脅し』と捉えられ、反感を買ってしまいます」
こうしたことから「『隠蔽』や『脅し』と捉えられかねない状況では、火に油を注ぐ行為になります」と言う。一方「デマであれば長期的には削除依頼をすべきですが、その際もなぜ削除するかを説明する必要があります」とも話している。
では、どう対策を取るべきか。三上氏はこう話す。
「情報公開です。デマが流れ誹謗中傷を受けたら、SNSやメディアを通じて『自分はこういう者で、こういう状況に置かれているが、この情報は間違っている』と公にアナウンスすることです。難しければ匿名のブログでもいいです。個人でできなければ弁護士に依頼し、正しい情報を発信してもらいます」
「クロ現」では、お笑い芸人・スマイリーキクチさんも出演。ネットに書かれた虚偽情報によって殺人犯扱いされ、誹謗中傷を受け続けた。現在も殺害予告が届くことがあるという。実体験にもとづき、キクチさんは「まず冷静になる気持ちで投稿を集める。嫌がらせの電話などは録音する。警察に行く前に、ネットの捜査ができる刑事さんがいるかを尋ね、日時を決めて行く。そうすると捜査してくださる可能性は高いです」と述べていた。