ネットに心の叫び吐き出せなくなったら 座間の事件で政府「書き込み規制検討」

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   神奈川県座間市のアパートで、男女9人の遺体が見つかった事件では、逮捕された白石隆浩容疑者(27)がツイッターで、自殺願望のある女性と連絡を取り合っていた。自殺を助長するような書き込みで女性たちを誘い出し、殺害した疑いがもたれている。

   政府は2017年11月10日の閣僚会議で、今回のような事件の再発防止のため、対策のひとつに「自殺に関する不適切なサイトや、書き込みへの対策の強化」を掲げた。これには、死を考えるほど悩んでいる人の逃げ場を奪うことにもなりかねないと、インターネット上で反対の意見が出ている。

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「ツイッター規制」反対意見が続出

   菅義偉官房長官は11月10日午前の記者会見で、自殺に関する不適切なサイトや書き込みへの対策の強化、ネットを通じて自殺願望を発信する若者の心のケア対策の充実などを指示し、1か月ほどで政府としての再発防止策をとりまとめることを明らかにした。「ツイッター等の規制」については、「今後関係局長会議を開催する中で検討の対象になるだろうと思いますけれど、現段階で予断を持ってお答えすることは控えたい」と述べるにとどめた。

   一部メディアは「政府がツイッター規制を検討」と報じたが、実際はその段階ではない。ただ報道が先走ったためか、ツイッター上では規制に対する反対意見が続出した。若者が自殺したがる現状が問題だ、災害時にツイッターで助かった命がある、事件の原因究明が先――。J-CASTニュースがツイッターで実施した投票でも、「規制が不要」「どちらかというと不要」を合わせると7割強に上った。

   もしもツイッター規制が実現し、仮に「死ぬ」「死にたい」といった特定のワードを対象に書き込みを制限した場合、自殺志願者の心につけこむような犯罪を防ぐだけならよいが、逆に悩める人が「心の叫び」を叩きつける場を奪う恐れがないか。

   ツイッターには、「各分野の専門家が伝える 子どもを守るために知っておきたいこと」(メタモル出版刊)の中で、精神科医の松本俊彦氏が執筆した内容を紹介する投稿者もいた。これは「ブロゴス」2017年1月19日付の記事で扱われている。ごく一部だが、引用してみたい。

「誰かに『死にたい』と告げるのは、『死にたいくらいつらいけど、もしもそのつらさが少しでもやわらぐのであれば、本当は生きたい』という気持ちがあるからです。だから私たちは、その発言を子どもからのSOSとして捉えなければなりません。『死ね』でも同じです」
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