トランプ米大統領に対する批判を連日のように展開している北朝鮮の国営朝鮮中央通信が、北朝鮮問題についてトランプ氏と「完全に見解の一致を見た」と表明する安倍晋三首相を名指しで批判した。トランプ氏の訪日中、安倍氏がトランプ氏に追従する「醜態」を見せた、という内容だ。
記事では、そうした日米の蜜月ぶりを「前日本外交官」が批判したとする発言を引用しながら「注目する必要がある」とも主張した。仮に発言が事実とすれば北朝鮮に利用されたとも言えそうだが、本当にこういった発言はあったのか。
「もうろくした老いぼれトランプの虚勢をあおり立てて」...
安倍氏を批判する論評記事は2017年11月14日、「軽々しい追従行為の結末は悲劇だけだ」と題して配信。11月6日に行われた日米共同会見の場で、安倍氏が北朝鮮問題について日米が「完全に見解の一致を見た」「日米が100%共にあることを力強く確認した」などと発言したことについて、
「上司(編注:トランプ氏)対朝鮮敵視政策実現の先頭に立って軽々しく振る舞っている忠犬のずる賢い行動は実におぞましさをかき立てる」
と批判した。さらに、安倍氏の行動には「下心」があるとして、
「それは、もうろくした老いぼれトランプの虚勢をあおり立てて情勢を引き続き激化させ、その中で漁夫の利を得ようとすることである」
と罵倒した。
さらに、記事終盤では、
「前日本外交官が『現世界の各国指導者を見ると、国連総会で武力の威嚇をうんぬんするのはトランプだけ、各国指導者の中で追従するのは安倍だけ、この二人の会談が国際的にどんなに醜悪であるのか』と言ったことを注目する必要がある」
などとして、日本国内からも批判の声があることを指摘している。