白内障手術をした高齢女性は長生きする! 「視界良好」が健康全般にもいい効果?

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   高齢者のほとんどがかかる白内障。薬では治らず、手術以外に完治する方法はないが、目のカスミを我慢しながら手術を控える人が少なくない。

   ところが、白内障手術を受けた高齢女性は視力が改善するだけでなく、寿命も延びるという驚きの調査が米カリフォルニア大学の研究チームによって発表された。研究成果は米医師会機関誌「JAMA 眼科学」(電子版)の2017年10月26日号に掲載された。

  • 白内障は40代から始まる(写真はイメージです)
    白内障は40代から始まる(写真はイメージです)
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米国7万人の白内障女性を調査、死亡リスクは6割減

   全国の眼科クリニックでつくる「眼科先進医療研究会」のウェブサイトの「白内障の基礎知識」によると、白内障は水晶体が濁る病気で、加齢により発症する場合が非常に多い。「加齢性の白内障は、50歳代で37~54%、60歳代で66~83%、70歳代で84~97%、80歳以上ではほぼ100%」というほどポピュラーな病気だ。治療については「薬の使用で、ある程度の予防や進行の抑制は可能だが、治す事ができない。濁った水晶体を取り出し、新たに眼内レンズを挿入する手術が一般的となっている」と説明している。

   「JAMA 眼科学」の論文要旨によると、これまでの研究では、白内障の手術を受けると視界が良好になることもあり、精神的・身体的に健康度がアップする可能性があることが示されているという。

   そこで研究チームは、死亡率に影響しているかを調べるため、米国国立衛生研究所が閉経後の女性を対象に行なっている大規模な健康調査「WHI」のデータを使った。65歳以上の女性のうち白内障と診断された女性7万4044人(平均年齢70.5歳)を対象に22年間追跡し、白内障治療の手術の有無が、がん、心臓病、感染症、うつなどの神経症、呼吸気疾患、偶発的な事故などによる死亡リスクに影響を与えているかを調べた。

   調査期間中に4万1735人(56%)が白内障の手術を受けていた。そして、合併症や喫煙、飲酒の有無のほか、肥満、身体活動量などを調整して分析した結果、手術を受けた女性は、手術を受けなかった女性に比べて全死亡リスクが60%も低かった。また、心臓病や呼吸器疾患、がん、事故などの個別の原因別の死亡リスクを比較しても手術を受けた女性は37~69%の低下が認められた。最も死亡率が下がったのは心臓病(69%)だった。

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