希望の党の小池百合子代表(東京都知事)は2017年11月14日に開かれた両院議員総会で辞意を表明し、了承された。衆院選敗北直後には「創業者としての責任がある」と続投を表明していたが、その後も失速状態から回復できず、都政に専念することにした。
後任には玉木雄一郎共同代表が就く。玉木氏は、衆院選で安保法制容認を打ち出した小池氏と近い立場だ。一方で、共同代表選で明確に安保法制反対を打ち出した大串博志衆院議員も全体の4分の1以上を得票しており、小池氏からの「禅譲」で安保をめぐる党内の溝が拡大する可能性もありそうだ。
一度は「創業者としての責任」で続投宣言したが...
小池氏は衆院選敗北を受けた10月25日の両院議員懇談会直後に記者団の前で、
「私は創業者としての責任があるということで、続けていきたい」
と述べ、代表続投の意向を示していた。だが、今回の両院議員総会では一転、
「国政については国政の皆様方にお任せしていきたい。その意味では、創業者の責任として代表でスタートしたが、私は方向性はもう決まってるわけですから、それをしっかりと進めていただくことをもとにした上で、代表の座を降りさせていただいて、しかるべき形で皆様方をサポートできるようにしていきたい」
と述べた。
この間、11月10日に玉木雄一郎衆院議員が共同代表に選ばれたが、報道各社が行った世論調査では政党支持率で、希望の党と同じく民進党から分かれてできた立憲民主党に水をあけられた。11月13日に開票(12日投票)された葛飾区議選では、小池氏が実質的に率いる都民ファーストの会は5人の候補を擁立したが、当選はわずか1人。小池氏の求心力の低下が鮮明になっており、代表辞任を後押ししたとみられる。