第4次安倍内閣発足後、森友・加計問題で低迷してきた内閣支持率が復調傾向だ。ただ、自民党総裁3選の是非については反対の声の方が多い上、加計学園の獣医学部設置が認可される見通しになったことについても「納得できない」とする声の方が多く、安倍氏個人に対する風当たりは相変わらず強い。
政党支持率では、衆院選で躍進した立憲民主党が希望の党を引き離して野党で最も高い水準を記録。ただ、現時点では国会審議で特段の成果を上げたわけではなく、期待感が先行しているともいえる。
支持率が不支持率を上回る
JNNと産経新聞社・FNN(フジニュースネットワーク)の大手2グループが2017年11月11、12日に世論調査を行い、その結果を翌13日に報じた。両調査とも支持率は上昇して不支持率は低下し、支持率が不支持率を上回った。JNN調査での支持率は前回10月調査より4.4ポイント高い53.1%。不支持率は3.4ポイント低い45.8%だった。産経・FNN調査の支持率は、前回10月調査より5.2ポイント高い47.7%で、不支持率は3.9ポイント低い42.4%だった。JNN調査では5か月ぶり、産経・FNN調査では2か月ぶりに支持率が不支持率を上回った。
ANNが11月4、5日に行った調査でも支持率は前月比7.3ポイント増の44.2%、不支持率は同4.8ポイント減の41.5%で、2か月ぶりに支持率が不支持率を上回った。11月1日の安倍内閣発足から支持率の回復傾向が続いていると言えそうだ。
だが、安倍氏個人に対する風当たりは相変わらず強い。JNN調査で、内閣不支持の理由で最も多かったのが「安倍総理に期待できない」(31.0%)。安倍氏の自民党総裁としての2期目の任期は18年9月に満了するが、
「あなたは、安倍総理が3期目も自民党総裁を続投することに賛成ですか、反対ですか?」
という問いでは賛成は36%にとどまり、反対が54%と大きく上回った。