「BLEACH」などのヒット作で知られる漫画家の久保帯人さん(40)が、ラジオ番組で「ぶっちゃけ発言」を連発し、作品のファンを中心に反響を呼んでいる。
久保さんは、2017年11月5日と12日放送の「サンドウィッチマンの週刊ラジオジャンプ」(TBSラジオ)に連続してゲスト出演。番組MCのお笑いコンビ「サンドウィッチマン」の2人を相手に、連載時の裏話などの本音トークを展開した。
編集長の助言に「クソッタレが!」
久保さんは、2001年から16年まで「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載した大ヒット作「BLEACH」で知られる人気漫画家。同作はコミックス全74巻が刊行され、国内の累計発行部数は9000万部以上。作品の完結後も高い人気を誇り、18年には実写映画の公開も予定されている。
そんな大ヒット漫画家の久保さんが出演した「ラジオジャンプ」では、約15年にわたる「BLEACH」連載時の裏話や、編集者とのトラブルなどのエピソードが次々と明らかになった。
11月5日放送回ではまず、「ONE PIECE」作者の尾田栄一郎氏との関係について言及。久保さんのデビュー作の読者アンケートの順位が、尾田さんの作品よりも1つ下だったとして、
「そのときから、尾田さんのことは嫌いなんです」
と突然の仰天告白。これには、サンドウィッチマンの伊達みきおさんも「意外と物事はっきり仰る方ですね」と笑いながら反応していた。
その次に飛び出したのが、久保さんのデビュー直後に「ジャンプ」の編集長だった鳥嶋和彦氏(現・白泉社代表取締役)とのエピソード。担当編集者と一緒に編集部に呼び出された久保さんは、鳥嶋氏から「君の漫画はダメなんだ」と一喝されたという。
その上で、鳥嶋氏からは「ドラゴンボール」「北斗の拳」の1巻を手渡され、「これを家に帰ったら読め」「こういう漫画を描け」と告げられたという。この時の心情について、久保さんは、
「『クソッタレが!』と思って。まあ、期待をかけて下さったと思うんですけど...。でも、そんなこと言われたら読まないですよね」
と振り返っていた。
また、2004年から12年までテレビ東京系で放送されたアニメ版「BLEACH」についても、
「(脚本の)チェックをしないと、けっこう原作と違ってきたりして、それを見てるとお腹痛くなってくるんです。なんかイライラして。『違うじゃねぇか!』って」
と告白。放送開始直後はチェックをしていなかったが、原作ファンの心情も考えて途中から依頼して台本を毎週確認するようになったという。
ハリウッド版「BLEACH」が進行していた
11月12日放送回でも、久保さんのトークの勢いは止まらず。連載が終わった後の生活については、「バリバリのニートです」と断言。次回作の構想も全く考えていないとして、
「15年も描いたんで、15年は休みたいです」
との願望を明かした。
サンドウィッチマンの2人から「まだ表には出てないここだけの話」を振られると、「『BLEACH』のハリウッド版映画を作りかけていた」と打ち明けた。監督や主演俳優の候補も決まっていたというが、
「脚本がどうにもまとまらなくて、全然原作と変わってくるんですよ。向こうのオーソドックスなハイスクールものに寄っていたんですよ。だから『これ直して、これ直して』って言っていたら、契約期間を過ぎても(脚本が)まとまらず...」
と、制作が打ち切りとなった経緯を説明。伊達さんから「もう少し、妥協すればよかった?」との質問が飛ぶと、
「う~ん、ドラゴンボールの例もあるので...」
とポツリ。酷評が相次いだ映画「DRAGONBALL EVOLUTION」(09年公開)を引き合いに、制作中止を後悔していない旨を明かしていた。
そのほか、仲のいい漫画家と何の話をしているかについては、「基本的には、他の漫画の悪口を言いますね」。また、デビュー直後に「ジャンプ」連載陣が集まる新年会に参加した際に、久保さんが先輩漫画家に「挨拶をしなかった」とのエピソードも披露。
「新年会ではずっと、担当編集者と別室で話をしていました。最初に(他の漫画家)全員に頭を下げたら、『全員の下になってしまう』と思ったんです。そのせいで、先輩作家さんとは誰とも仲良くないです」
このエピソードを受けて、「もし、今の新人作家が同じことをしたらどう思う?」と振られると、久保さんは「死ねばいいのに。コイツ絶対売れないぞと思いますね」と笑っていた。
このように、久保さんから続々と「ぶっちゃけ話」が飛び出した放送を聞いたリスナーからは、ツイッターやネット掲示板に、
「久保先生面白すぎるでしょ...」
「このぶっちゃけぷりたるや」
「久保先生のなんつーかロックな所嫌いじゃない」
などと面白がる書き込みが相次いでいる。そのほか、脚本にこだわってハリウッド版の制作が打ち切りになったとのエピソードを、「ハリウッド映画化を没にしてまで作品を守ったのは凄い男気」などと称賛するファンの姿も目立っていた。