納豆は健康食として知られる。ところが「おいしい、おいしい」とつい食べ過ぎたところ、腹痛を起こして1週間検査入院したという話題が新聞で紹介された。
その人物、1970年に日航機「よど号」をハイジャックし、現在は北朝鮮に暮らす男性だ。納豆を食べて腹部にガスがたまったとの診断だったそうだが、管理栄養士や医師に見解を聞いた。
腸内環境にダメージを与えるとは考えられない
よど号事件の実行犯のひとり、赤木志郎容疑者(69)が、納豆の食べ過ぎで検査入院――。2017年10月29日付の毎日新聞電子版は、実行犯の帰国支援を目的とする機関誌に掲載された赤木容疑者本人の寄稿を紹介した。腰痛や腹痛が続いたため1週間検査入院したところ、消化器科の医師から「ガス充満だと指摘された。その原因は納豆をよく噛まずに食べたことにあった」。現地に納豆工場ができ、「喜んで毎日がむしゃらに食べたのがよくなかった」とある。
1日どれほどの納豆を食べていたのかは不明だ。だが納豆は一般に腸内環境を整えるほか、さまざまな健康効果があるとされる。逆に体に悪さをすることなどあるのか。大腸肛門疾患が専門の「ときとうクリニック」(さいたま市)の時任敏基院長はJ-CASTヘルスケアの取材に、自身も納豆が大好物だが「ガスが充満して入院することはありません」と話す。
ただし可能性として、消化管の中に供給された納豆菌の量があまりにも多ければ、ガスの量も増えるだろうとして、「明らかに納豆の食べ過ぎが症状の大きな誘因のひとつ」との考えを示した。
食品や成分の観点ではどうだろう。東京都内で勤務する管理栄養士を取材した。時任医師と同じく、基本的には「納豆が腸内環境にダメージを与える、腹痛を起こすことはあまり考えられません」という。腹痛につながるとすれば、小腸細菌異常増殖症(SIBO)とFODMAPかもしれないと指摘した。