がんに影響する他の遺伝子も関係か
ペロニー病とがんの間には共通の遺伝リスクがあると考えたパストゥシャック博士はさらに知見を深めるため、ペロニー病を発症している親子の遺伝子解析を実施。
すると、泌尿器周辺のがんリスクを高める遺伝子群が確認され、さらにこの遺伝子群が胃がんリスクにも関与していることが判明したという。
また、その他のDNAも探索していくと、健康な人では正常に機能しているはずの腫瘍抑制(がん化した細胞を抑制する)遺伝子が抑制されている、本来は活性化すべきではないがん化促進遺伝子が活発になっている、といった遺伝的特徴も見られた。
これらの結果からパストゥシャック博士は、
「ペロニー病とがんの発症の間には共通の因子がある可能性が高い。例えばペロニー病患者を診察・治療したあとも追跡を行いがん発症に備えたケア体制を用意する必要もあるかもしれない」
とコメントしている。
ただし、今回の研究では因果関係や共通因子があるかまでは解明できておらず、ペロニー病ががん発症に影響を与えている経路を解明すべく、さらなる研究が必要となる。