腰痛や膝痛は足のトラブルが原因!? 足首ストレッチと靴選びで驚きの改善効果

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【健康カプセル ゲンキの時間】(TBS系)2017年11月5日放送
足元ケアで体の不調を改善!

   腰痛や膝痛などのカラダの不調、その原因は「足」にあるかもしれない。足のスペシャリストが、街ゆく人の歩き方からその人が抱える「ビョーキ」を発見、解決法を紹介する。

   足首の硬さが様々なトラブルを生み出す。すぐにできるチェック方法と足に優しい靴選びなど、役に立つノウハウが満載だ。

  • 足首を軟らかくする「アキレス腱伸ばし」ストレッチ
    足首を軟らかくする「アキレス腱伸ばし」ストレッチ
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1日歩くと足にかかる負担は超大型旅客機の重量並み

   番組では冒頭、恒例の健康クイズが出された。「1日歩いた時、足にかかる負担に近い総重量は?」。「A:バス」「B:シロナガスクジラ」「C:超大型旅客機」。正解は「C:超大型旅客機」(540トン)だ。歩くと1歩ごとに足にかかる重さは体重の1.2倍となる。60キロの人で、1日に7500歩とすると540トンの負担がかかる。それだけ足裏や膝にダメージがくるわけだ。

   専門家が見ると、歩き方だけで「ビョーキ」がわかる。理学療法士の久保和也さんに街頭に立ってもらい、通行人をチェック。「あっ、あの人は腰痛です」。番組スタッフが聞くと、「ハイ、椎間板ヘルニアです」と腰に巻いたコルセットを見せた。前かがみの歩き方と猫背の姿勢で、腰痛がわかるという。「あの人は靴の片側だけがすり減っています」。靴を見せてもらうと、右足の内側がすり減り、かかとが内側に傾いていた。久保さんが右足の親指を触ると、骨がねじれて、外反母趾になっていた。

   年配の女性が歩いてきた。「あの女性はよくつまずくはずです」。女性に聞くと、「ええ、よく転びます」と驚いた。つま先が上がらない歩き方からわかった。女性に、かかとをピッタリつけて「和式トイレ座り」ができるかどうかやってもらうと、女性は後ろにひっくり返った。

久保さん「足首が硬くなっているのが原因です。和式トイレ座りができるかどうかがチェックのコツ。足首の硬い人は、それが原因で歩き方が不自然になり、腰痛や膝痛になる可能性が非常に高くなります」

   久保さんは、硬くなった足首を軟らかくするストレッチとして、オススメはアキレス腱伸ばしだという(写真参照)。両足を平行にし、かかとをしっかりつけて、前の膝に体重をかけて、後ろ足のアキレス腱を伸ばす。1日に左右1分ずつ行なうとよい。

痛風だと思ったら、足の親指の別の炎症だった

   番組では、足にトラブルを抱える40~50代男女4人を、足の専門医「足クリニック表参道」の桑原靖院長に検診してもらった。

   (1)ハイヒールをよく履き足の裏が痛いという女性の小倉さん。仕事が終わると急激に痛くなる。桑原院長が診ると外反母趾だった。痛みは左足だけだったが、関節が右足の方が悪い。右足をかばうあまり、左足に負担がかかっている。このままでは両足がどんどん悪くなる。

桑原院長「ハイヒールをやめなさい。4センチ以上高いヒールはカラダに悪いです」

   (2)いつもかかとに激痛が走る男性の田中さん。朝起きた時が一番痛く、ズキーンとくる。

桑原院長「かかとが朝の1歩目に痛いのは足底筋膜炎が疑われます。足裏のアーチをつなぐ筋膜が炎症を起こし、足裏の神経を圧迫して痛みが出ます」

   (3)左足に大きなタコがある女性の片山さん。桑原院長が丁寧に足裏を診ると、親指が固まり、全然使えていない。親指に圧力がかからず、ほかの部分で体重を支えるからタコができるのだ。

   (4)「痛風もち」という男性の落合さんは、親指の付け根にひどい痛みが出る。桑原院長が足をチェックすると、痛風ではなく「強剛母趾」だった。強剛母趾とは親指が固まり、歩いた時の力を逃がすことができず、親指のつけ根に炎症が起きる病気だ。痛風と同じくらい痛い。これも足首が硬いと起こりやすい。

桑原院長「皆さんの足トラブルに共通した原因は、足裏のアーチの崩れです。アーチとは土踏まずにあたる部分で、かかと・親指の付け根・小指の付け根の3か所を結ぶ靭帯と筋肉で構成されています。足のアーチが崩れる原因は、年齢、靴、肥満、運動不足、そして運動のしすぎです。一度崩れると戻すのは難しいです」

   しかし、戻し方は2つあるという。1つが、靴の中に入れるインソールを使い、土踏まずを持ち上げることでアーチを整える方法だ。番組ではインソールを使った実験を行なった。インソール無しの靴を履いたスタッフを、別のスタッフが押すと、踏ん張りがきかず、バランスを崩して倒れた。しかし、インソール有りの靴を履いたスタッフを押しても、踏ん張ってビクとも動かなかった。

桑原院長「インソールは、重い物を持ち上げる時にも効果的です。市販のインソールでもいいですから、ぜひ試してください」

靴のインソールとスニーカーで劇的な健康効果

   足のトラブルのもう1つの原因は「靴」だという。だから、靴選びを適切に行なうと、トラブル解消につながる。桑原院長が、足にタコができた片山さんの自宅へ行き、持っている靴をチェックした。大半の靴が左のかかと部分が崩れている。片山さんは左重心で歩くため、左足だけ大きなタコができる。片山さんのお気に入りのサンダルはウェッジソールでヒールの高さは5センチ。

桑原院長「足裏にかかる体重を分散するためには、ヒールは4センチ以内がいいです。靴はかかとで履くものです。かかとは卵のような形で、不安定で倒れやすい。だからこそ、ピンヒールはオススメできません」

   桑原院長は、ペタンコのパンプスも手にとり、こう指摘した。

桑原院長「足の甲が覆われていないと、歩く時に脱げないよう自然と指先に力を入れてしまう。そのため指関節が曲がったまま固まり、足全体のバランスが悪くなり転倒の可能性が高まります。また、これからの季節に履きたくなるムートンブーツも要注意です。かかとが柔らかい素材のものが多いため、足を守りにくく、アーチ崩れの引き金となります」
渡辺満里奈キャスター「何だか、女性が履きたくなる靴は全部ダメみたいですね。今持っている靴を捨てろってことですか?」
桑原院長「それは、オシャレをとるか、健康をとるかの問題です」
三宅裕司キャスター「どんな靴がオススメなのですか?」
桑原院長「私は、スポーツ庁がスニーカー通勤を奨励していることに大いに賛成です。スニーカーはかかとと甲が守られており、ソールもしっかりしているため、アーチ崩れを防ぐのに効果的です。しかし、履く時には大事なポイントがあります。むくみにより1日のうちで足の形は何度も変わるので、そのつど小まめに結び直してください。若いうちは自然とひざや腰、体が柔らかいので補って歩いてくれますが。年齢を重ねるとバランス補正が効かなくなり、転んで骨折・寝たきりになってしまう場合もあります。足を大事にしましょう」
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