プロレスラー高山善廣選手(51)が、試合中のけががもとで頚髄完全損傷と診断され、今も首から下が動かない。
状況は厳しいが、それでも前に向けて一歩を踏み出した。電動車椅子に乗る練習を始めたというのだ。
「アゴでコントローラーを操作しています」
高山選手の公式ブログが2017年11月8日、更新された。夫人が高山選手に代わって、近況を報告している。
「最近の高山は、電動車椅子に乗る練習をしています。手は動かないので、アゴでコントローラーを操作しています」
最も注目すべき内容は、この部分だろうか。9月4日に「頸髄完全損傷および変形性頚椎症」の診断で首から下が動かないと明らかにして以降、病室のベッドに横たわっている高山選手の写真や記述はあったが、ベッドを出て「動いた」様子を伝えるのは初めてだ。 さらに、こう続く。
「本人は電動車椅子に乗って、半年ぶりに自分の意志で動けた、と喜んでおりました。こうやって少しずつ、自分でできることが増えていけばいいのかなと思っております」
けがを負ったのは5月4日の試合だ。回復の見込みなしとの診断が下り、絶望を口にするほどの精神状態だったという。けがから半年余り、自ら電動車椅子の操作をするまでに進展した事実は、高山選手の「回復したい」という意志の強さが伝わってくる。
ファンからは、ブログに激励のコメントが寄せられている。「感動した」「さすが」というメッセージが続々と書き込まれた。脳梗塞を患い、長いリハビリ生活を送った人は、高山選手の「諦めない姿勢」に勇気をもらったようだ。