少年の両方の鼻の穴に磁石が入り大手術 磁石が引き合い取れない事故、日本でも

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   子どもは鼻の中に小さな物を入れたがるが、中にはとんでもなく危険な物があるから親は注意したい。

   ボタン型の小さな磁石を両方の鼻の穴に入れた少年が、磁石がピッタリくっ付き合って取れなくなり、大手術になった症例が英医学誌「The New England Journal of Medicine」(電子版)の2017年10月26日号に報告された。

  • 鼻の穴の両側でボタン型磁石(白色の円形)がくっ付いたレントゲン写真。Aは正面、Bは側面(「The New England Journal of Medicine」の論文より)
    鼻の穴の両側でボタン型磁石(白色の円形)がくっ付いたレントゲン写真。Aは正面、Bは側面(「The New England Journal of Medicine」の論文より)
  • 鼻の穴の両側でボタン型磁石(白色の円形)がくっ付いたレントゲン写真。Aは正面、Bは側面(「The New England Journal of Medicine」の論文より)

ボタン型磁石を鼻に入れて遊んでいるうちに...

   同誌の論文要約によると、症例を報告したのはキプロスの首都ニコシアの医師、カディフ・カズキダス氏とモハメド・ディリク氏の2人。11歳の少年が顔に猛烈な痛みを訴えて、病院の救急センターに搬送された。顔のレントゲン写真を撮ると、2個の丸いボタン型の磁石が鼻の両方の穴に入っており、鼻中隔(左右の穴を隔てる部分)をはさみ、互いに引き合ってピッタリくっ付いていた(=写真参照)。磁石は、搬送される6時間前に少年が自分で鼻の中に入れた。

   磁石は鼻中隔を強く圧迫しており、粘膜部分を圧縮して壊死させ、穴を開ける危険があった。救急センターでは、鉗子(かんし)などを使い磁石を取り出そうとしたが、強力に引き合っているため除去することに失敗した。

   そこで緊急手術をすることにした。少年に全身麻酔をかけ、鼻の両サイドに強力な磁石を取り付け、ボタン型磁石を鼻中隔から引き離すことに成功した。しかし、少年の鼻の穴は、鼻中隔の粘膜だけでなく軟骨部分も大きく損傷していた。6か月間、治療を続けた結果、少年は完治した。

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