サンシャイン水族館(東京・池袋)は2017年11月8日、大型水槽「サンシャインラグーン」で展示していた魚の大量死が起きたことを発表した。死んだのは1235匹で、この水槽で飼育していた生物の94%に当たる。
この事故を受けて同館は、チケット購入日から1年間の「再入場」を無料で受け付ける特別対応を始めた(再入場は1回限り)。運営会社によれば、このサービスは「大型水槽の展示が本来の状況に戻るまでの間」続けるという。
生き残ったのは73匹だけ
大量死が起きた「サンシャインラグーン」は南国の浅瀬をイメージした大型水槽で、同館の目玉展示の一つ。サイズは横約12メートル、奥行き約9.6メートル、高さ約2.4メートルで、約1300匹の魚を展示していた。
今回の事故で死んだのは、トビエイ類やタカサゴ類など24種1235匹。生き残ったのは73匹だけだった。運営会社のサンシャインシティ(東京都墨田区)の広報担当者はJ-CASTニュースの取材に対し、大量死発生の経緯について、次のように説明した。
この水槽では7日午前、一部の生物の治療のために薬剤を投与。このとき水族館側は同時に、薬の効果を高める目的で、水槽内のタンパク質(ごみやフンなど)を取り除く装置を停止した。
別の装置で酸素は供給しており、7日夜にスタッフが確認した際も異常はなかったというが、翌8日朝になって巡回中の警備員が事態に気づいた。その後の調査で、水槽内の酸素濃度が低下したことで、酸欠による大量死を招いた可能性が高いことが分かったという。
担当者によれば、「これまで本館で起きた飼育生物の死亡事故の中では、もっとも規模が大きいものだと考えております」。今後については、再発防止策としての酸素供給装置の増設を検討するとともに、個体数の減った水槽に徐々に魚を追加していく予定だという。